部屋に入ると、太った審査員のおばさんがリンゴをバクバクほおばっていた。


こいつか...


オーディションと言うのは、部屋に入った瞬間に何となく合否がわかるものだ。

ビリージョエルのNew York State Of Mindを歌った。

が、やはりAJにしっかりトレーニングしてもらっていない曲は不安だった。

結果は『不合格』..


当然だ。

ノースアメリカは、ハッタリ練習曲で通用するほど甘くない。

いかなる状況であれ自分の実力の無さに落胆した。
悔しかった。これを勝ち抜けばカナダのテレビに出演できた。

帰路、悔しくて、すぐに練習したくて電気屋でキーボードを購入した。