(哺乳している時間は、むせないように慎重に観察しながらあげています。ニコの呼吸の乱れをいち早く察知できるように、音がない部屋で集中してあげています)

 

 

きょうはニコのミルク事情について書きます。

 

生まれたときから現在(11カ月)に至るまで、 一番苦心してきたのがニコにミルクを飲んでもらうことです。

 

 

 

↑こちらの投稿にも書きましたが、 生まれたばかりの頃は飲むのがとっても下手で、誤飲が多く、そもそも食欲もありませんでした。 

 

ダウン症の告知を受けてから始まった「早期療育」では、ほとんどの時間を「ミルクを飲む練習」に費やしてきました。


その中で分かったことを、まとめてみます。

 

 

~「飲み方」を間違える~

 

ニコがむせてしまって飲めなのは、いろんな専門家に見ていただきましたが、一番の原因は「飲むという動作そのものが出来ていない」ということでした。

 

 「哺乳瓶からミルクを飲む」のは、大人からすれば簡単で単純な作業のように思えてしまうのですが、 じつは「とても複雑な動きを短時間に繰り返している」そうなのです。

 

舌を使って乳首を押しつぶしながら吸う 

口の中にいったんミルクをためる 

息を一旦とめる 

飲みこむ 

息をする 

 

これらのことを、多くの赤ちゃんは生まれながらにして出来ているのだそうです。

 

ニコはというと、この作業の順番がめちゃくちゃだったり、 途中の作業を飛ばしてしまったりするというのです。

 

 ドクターからは「早く生まれた未熟な赤ちゃんにもみられる症状」 と言われました。 

 

そう言われてニコを観察すると、 一生懸命に飲もうとしている結果だとおもうのですが、 吸う吸う吸う吸う吸う吸うと続けてしまい、飲みこめない量が口に溜まってむせる、息を止め忘れて気管の方にミルクが入ってむせるということが頻繁に起きているようでした。乳首を舌のしたに入れてしまっていることもありました。 

 

ドクターからは 「しばらくすると上手になってくるから 心配しすぎないで」と言われました。 

 

たしかに、生後3カ月あたりからミルクを苦しまないで飲めるようになり、 9カ月あたりからむせることもほとんどなくなりました。 

 

~筋力が弱く疲れやすい~ 

 

ダウン症のがある赤ちゃんは、筋肉の緊張が低い「低緊張という合併症があることがほとんどです。そのため筋力が弱く疲れやすい特徴があるようです。

 

 

  飲んで、休んで、また飲むスタイル

 

ニコは何口か吸うと、ピタッと動きを止めて2-3秒休んでから、また吸い始めるという感じででミルクを飲んでいます

 

これを見た専門家から「ダウン症のある赤ちゃんがよくやることだ」と言われました。筋力が弱くて疲れやすため、休み休み飲んでいるのだそうです。

 

赤ちゃんにとって、ミルクを飲むということは、とても体力を使う大仕事なのだと教えていただきました。

 

 

  授乳時間は20分を超えないように・・・

 

療育の先生からは「授乳時間が20分を超えると、飲んで摂取するカロリーよりも、ミルクを飲むために消費するカロリーの方が上回ってしまう。20分で一旦授乳はやめた方がいい」と言われました。

 

そうはいっても、ニコが飲める量が本当に少ないので毎回30-40分くらいかけて 飲ませていました。

 

追記:

冒頭にリンクしたブログでも書きましたが、ニコの場合、日本にいれば経管栄養の対象になっていたのではないかと思います。

 

 

  母乳直飲みは、哺乳瓶よりもエネルギーが必要

 

 ちなみに、母乳をおっぱいから飲むのは哺乳瓶から飲むよりもエネルギーを使うということでした。

 

ニコに少しでもミルクの量を飲んでもらいたかったので、母乳を直接胸から飲ませることはすぐにあきらめ、哺乳瓶に切り替えました。

 

ニコが通っている療育機関には、同い年のダウン症のある赤ちゃんが15人くらい通っていますが、おっぱいから哺乳している子はたったひとりでした。

 

そのたったひとりのお母さんに、どうやったのか聞きました。

 

そのお母さんは四人のお子さんがいて、ダウン症のある子が末っ子です。「上の3兄妹を母乳で育てた経験があったらできた。その経験がなかったら無理だったと思う。それでも母乳を直接おっぱいから飲めるようになるには、1カ月かかった。練習は母乳カウンセラーに見てもらった」と教えてくれました。

 

ダウン症のある赤ちゃんに母乳をあげるには、 経験、アドバイス、根気が必要なようですが、 不可能というわけではなさそうです。

 

~乳首探し~ 

 

 

ニコが、ごっくんと飲みこめる量より多いミルクが口に入ってくるとむせてしまうため、 ゆっくり少ない量のミルクが、勢いなくじわーっと出てくる哺乳瓶の乳首を探しまわりました。 

 

赤ちゃん用品店で 新生児・低体重児用乳首をかたっぱしから買いあさり、 カウンセラーから市販されていない飲む力が極端に弱い赤ちゃん用の特殊な哺乳瓶も買いました。 

 

しかし、どれもこれもむせるのです。

 

どうやら、丸穴だとぴゅっと勢いがつくのか即むせる、XやYカットだと口の中に出てくる量が多すぎるようでむせる。飲み力が弱い赤ちゃん用は、そこまで力が弱くないのか量が出過ぎてむせる。

 

そんな中、たった1つだけニコが飲めた乳首がBorn free というメーカーのVariable Flowでした。

 

 

 

乳首が「I字」にカットされているんです。

 

丸穴だと勢いありすぎて、YXだと出過ぎてしまうの間だったんだと思います。

 

 

   飲ませる向きによって、ミルクの出てくる量が変わるので「Variable Flow」なのです。向きによってレベル1から3まで3段階調節です。(変わった商品ですよね)

 

  9カ月になるまでレベル1で、いまはレベル3で飲んでいます。

 

追記

アメリカにいる頃は思いつかなったので追記します。

 

日本に帰国して父の介護をしているときに、父が水を飲む時によくむせるので、誤嚥防止のために「とろみ剤」を飲み物に少しだけ入れていました。本当にすこしだけとろみをつけるだけで、むせなくなるんですよね。医師と相談した方が良いと思いますが、そういう対応方法もありだったかなと思います。

 

 周りにいるダウン症のある赤ちゃんをみてみると、ニコほどミルクを飲むのにトラブルがある赤ちゃんは 少ないようです。 みんな普通にごくごく飲んでいます。

 多くの子が使っているのが、 Dr.Brown'sです。

  

 

カウンセラーや療育セラピストからは、飲むのに課題があるダウン症の赤ちゃんに改善がみられることが多いとおすすめされたのは、 nukです。

 

 

 

 

 

母乳と粉ミルク

 

日本に比べてアメリカは母乳へこだわる親は少ないようで、多くのママが粉ミルクをあげていました。

 

ただニコの小児科医のドクターMから「ダウン症のある赤ちゃんにはなるべく長期間母乳を与えてください。脳の発達の助けになります」と言われていたので、搾乳して哺乳瓶で飲ませるようにしました。

 

ちなみに搾乳を1日8回するので、全自動の搾乳器をレンタルして両胸一気に搾乳しています。

 

しかし、ニコの飲む量が少しずつ増えるのに対して、だんだんと母乳が出る量が減ってきたので、先に母乳をあげて飲みきったら粉ミルクを追加しています。 

 

Baby’s Only  

ORGANIC DHA&ARA 

  

 オーガニック粉ミルクに、母乳に含まれていて脳の発達を助ける DHAとアラキドン酸(ARAB)が配合されています。 大人が飲んでも美味しい味に感じられるミルクです。

 

 

食欲の推移

 

 

最後にニコの食欲についてです。 

ニコは本当にミルクをあまり飲みません。

 

悩んでいるお母さんもいるかもしれないので、以下にニコが1日に飲んだ総量を参考までに書いておきます。

 

生後6日目:92ミリ 

生後9日目:178ミリ 

生後12日目:375ミリ(Born Free哺乳瓶から飲めた革命の日) 

生後15日目:350ミリ 

生後20日目:540ミリ 

生後25日目:520ミリ 

生後30日目:670ミリ 

生後40日目:580ミリ 

生後50日目:550ミリ 

生後60日目:640ミリ 

生後70日目:705ミリ 

生後80日目:625ミリ 

生後90日目:505ミリ 

生後100日目:580ミリ 

生後120日目:515ミリ 

生後140日目:470ミリ 

生後160日目:625ミリ 

生後180日目:750ミリ(離乳食を始めるもぜんぜん食べず)

 生後200日目:700ミリ 

生後220日目:510ミリ 

生後240日目:530ミリ(離乳食少しづつ食べ始める) 

生後260日目:635ミリ 

生後280日目:700ミリ 

生後300日目:490ミリ 

生後320日目:580ミリ 

きのう:510ミリ 離乳食120ミリ

 

ごらんの通り、ずーっと横ばいですえーん

 

始めは1日8回の授乳をしていました。いまでは1回に200ミリくらい飲めるようになったのに、 哺乳回数が一日に3回に減ってしまいました。 (大人じゃないんだから💦)

 

そのため離乳食は高カロリーのものを あげるように工夫しています。 「成長してる?」と心配になることもありますが ゆっくりゆっくり、ちょっとずつ大きくなっているので、 本人の成長する力を信じて、 見守っていきたいと思っています。

 

追記

結局、母乳は1歳になる頃には出なくなりました。なかなか離乳食も進まず、4歳までは離乳食の後に粉ミルクを飲ませていました。

ダウン症児用の成長曲線だと、一番下の線のところにいますが、なんとか成長はしています!

 

摂取について不安がある方は、小児を扱っている摂食・嚥下リハリビをしている施設などに相談されてみると良いかなと思います。
 

祝11カ月

 

 

きのうで11カ月になったニコです。

 

ミルクのことは心配が尽きませんが、笑顔をたくさんみせてくれる元気な赤ちゃんです!

 

 あとひと月で1年が経つのかと思うだけで、 すでに感激と感慨にひたりまくっております。

 

 

 

ブログのリニューアルに伴い、過去に別のブログで書いていた息子のニコの記事を再編集と追記をして再掲載しています。