相撲部屋の"娘"と"息子" | アイリ オフィシャルブログ「LOVE is all」Powered by Ameba

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こんばんは。

アメトピにも載っていたよ!と
色々と疎い私に、友人が教えてくれました。

ありがとうございます。



すごくびっくりしたのと同時に、
な、なにを書いたらいいのだろう…と
一瞬戸惑ってしまいましたが、

様々な場所であたたかいコメントを頂き、
そうだ、外に探すのではなく内に探すために
自分の言葉で文章にしたいんだったと
落ち着くことができました。

こうして遊びに来てくださる皆さま、
本当にありがとうございます。




そんなことを考えながら
前回のブログのタイトルを自分で読んで
ふと、思いました。 


私が相撲部屋の"娘"ではなく、"息子"だったら?



なんでだろう、
不思議なほど考えたことがありませんでした。






まず最初に、
男だったらお相撲をやりたかった?の
質問への答えは『yes』です。

もちろん、できたか、とは別の話。


でも、このyesも、
お相撲をとる人生という選択肢を私が生まれた時から持っていなかったからなのかな
と気が付きました。
(ちなみに一度だけちびっこ相撲大会に出場しましたが、立合いの瞬間飛ばされました。笑)




私には二つ上の兄がいますが、
小さい頃の写真を見ると笑ってしまうほど
廻し風の白い布にちょんまげヘアー、
大人だけでなく、お人形相手にもお相撲をとっているものばかりです。


父の存在は言うまでもなく大きい上に、
同じ屋根の下に強くて優しい現役のお相撲さんがいるというのは、
お相撲さんに憧れるには自然な環境だったのかもしれません。

でもそれは、小さい頃の話。






前回も書きましたが、
娘の私は、沢山のお兄ちゃん達に囲まれた大家族の末っ子的感覚で育ちました。


それが高校生になり、
遂に自分と同い年や年下のお相撲さんが入門してきた時の感情は、今も覚えています。
 
それまで、週末のお昼や場所中の夜は
お相撲さんとちゃんこを食べていましたが
その頃からその回数はグッと減りました。



ただ楽しく毎日学生生活を楽しんでいる私と、
既に自分の生きる道を決めて、
厳しい稽古やホームシックにも耐え、慣れない集団生活を送っているお相撲さん。

そこにはやはり、
気まずいような後ろめたいような、なんとも言葉にし難い感情がありました。


でも正直、私にとってはそれ以上でもそれ以下でもありませんでした。


きっとそれは、私が"娘"だったから。


   


"息子"だった兄は、
同じ男として、年が近ければ近いほど、
言葉にせずとも大きなプレッシャーを抱えていたと思います。

もちろん、お相撲を生業にするのかということも含めて。



結局、兄がお相撲の道を選ぶことはありませんでした。

その道を自ら選ばなかったのか、諦めたのか、
当時の気持ちは本人のみぞ知る…ですが、
両親の気持ちはどうだったのかなと気になりだす私。



そこで、母が部屋が始まったばかりの頃にやらせていただいていたという新聞での連載をまとめた本、
【高田みづえのおかみさん日記】を引っ張り出してみました。


すると、兄のお相撲好きに関して書いている回がありました。

歩けるようになった頃にはもう四股を踏んでいたこと、
ひたすら大人とお相撲をとっていたこと(父は絶対に負けてくれなかった)、
ウルトラマンの名前は全部幕内力士だったこと、
どこでも丸を見ると土俵みたい!と叫んでいたこと、
父の現役時代のビデオを見せてといつも祖父にせがんでいたこと。
 

その最後に、
『そして、重大ニュースが一つ。勝信の今年の七夕の願い事が「お相撲さんになりたい」だったと幼稚園の先生に聞き、とっても嬉しかった母でした。』
とありました。




では、父の気持ちは?

多くを語らない父ですが、
兄が学生時代、運動会を見にきた父が兄の走っている姿を見てたった一度だけ、
「良いふくらはぎしてるな」
と言ったことがあったそうです。

あの言葉には色んな意味が込められたのを感じたと、いつだったか母が教えてくれたことがありました。


ブログを書いている最中にこの言葉を思い出し、父に、
『かっちゃん(兄)が本気でお相撲をやりたいって言ってたらどうしてた?』と聞くと、

『うーん、どうだったかな…やらせてたかもね…いややらせてないかな…分からないな。』
と、一瞬真剣な顔で、その後は懐かしそうな柔らかい表情で話してくれました。




相撲部屋の息子として生まれた兄。
血の繋がった息子とお相撲さんという息子達を持った両親。
その時々でそれぞれの葛藤と想いがあったのだろうなと、
どの時代もただただ楽しく走り回っていた娘の私は、考えさせてもらう良い時間になりました。



最後に、昨年2022年の元旦。
我が家で行う最後の相撲部屋としての新年会での出来事。






恒例の、一人一人新年の目標を発表する時間。

順番が回ってきた私は椅子から立ち上がり、
開口一番、「泣きます!笑」と宣言をして、
皆に沢山のありがとうを伝えました。

 


その次は兄の番。
俺も泣きますと言って最後口にしたのは、

「俺は、廻しをつけた現役のお相撲さんが世界で一番かっこいいと思ってます。」

でした。




"娘"の私からはきっと出ない言葉。

相撲部屋の息子と娘では
こんなにも背負っているものが違うのかと
33年経って気付いた瞬間でした。

  

。。。
やっぱり私は、
何度生まれ変わっても
相撲部屋の娘がいいな。

沢山の大きなお兄ちゃんや弟達を、
葛藤なくただただ応援する立場でいたい。






今日も最後までお読みいただいた皆さま、
ありがとうございました。
もし、こんなこと記事にしてほしい!などありましたら、ぜひコメント欄で教えてください♡



五月場所も四日目が終わりましたね。
応援しているだけで手汗な毎日です。笑

ではでは、
明日も愛ある一日をお過ごしください♡

アイリ