最近、こんな記事を書きました。

 

デザインは設計か?

 

その続編です。(内容は書き換えました)

 

さて。

 

デザインを日本語に直すと設計だ、と言い切られたら気持ち悪い感じがするマツナミですけれども。

 

じゃあグラフィックデザインは設計じゃないのか? と問われるとそんなことはないんですよ

 

ただ、どうしても「感覚でココがキモチイイ」っていうレイアウトやってる気分があるんですね。

 

それがリーフレットとかポスターとかの1枚ものだと、設計してる感じがまったくないんです。

絵を描いてる気分に近いかもしれません。

 

これがページ物になると一気に設計感が出てきます。

 

〇〇文字 × □□行を△△段、サイズはXQ(昔はQ数、いまはポイントで指定が多いかな)とか。

 

中綴じならページ数が増えると切られる部分が出てくるので、重要な要素は両端から●●mmは内側に入れておく、みたいなことも考えたりします。

 

他にも複数人が使う名刺とかは、氏名の一番長い人を基準にレイアウトするとか、肩書きや部署名で一番長いものを基準にする、みたいなことをやります。

 

「部長」と「シニア エグゼクティブ ディレクター」では文字数が違いすぎますよね?

「部長」を基準にしたら、「シニアなんちゃら」は入らないじゃないですか。

その破綻を最初から避けるよう考えるのは、ちゃんと設計してるって言えると思うんです。

 

だからカッコよさや、伝わりやすさ、刺さりやすさを考えると設計ではないような気がするし。

フォーマットをきっちり決める必要があるものについてはしっかり条件設定して、最大公約数的なルールを決めていくのは、こりゃ普通に設計だよなと思うわけです。

 

そういうわけで、デザインは設計じゃねえよとは言わない。

デザインには設計が必要だけれど意匠も必須。アイテムによってそれらの分担比率が違う、と言う。

 

だから「デザイン=設計ではない」と言える気がするし「デザイン=設計という人は、デザインも設計もやってない」という説は存在しうる。

 

「版下」というものを作っていた時代は、まちがいなく設計だと言えたんです。

 

それをベースにして、いろんな人が製版フィルムを作り上げ、撮影して、刷版に焼き付けて、エッチングで凹凸をつくって、機械にかけて色校正紙を出す。

そういった一連の作業のためにめっちゃ考えて、原稿の作り方を考えていました。

 

でもDTP全般の現代は、設計っていうのかなあ? どうなのかなあ? と思うのでした。

プロセスカラー4色印刷のデータを作るだけなら、もうほぼ半自動みたいなものですし。