先日、PIXTAさんは「生成AI」を切り捨てた、という記事をポストしましたけれども。
それはもう嫌われてます、生成AI。
肌感覚で言うと、生成AIを使って「オリジナルですー」みたいなことを言っちゃう人は、とにかくめちゃくちゃ嫌われてますね。「消えればいいのに」をもっと凄惨なお言葉で表現されてたりします。
ではAIって全部使っちゃダメなのか? と問われたら、そんなことはなくて。
まあ自分も使ってます。
便利なんですよ。
ウェブサイトのコーディングでプログラムのエラー出しをするとか。
SCSSで重複部分や使っていない指定を整理するとか。
レザークラフトや料理の基礎をまとめるとか。
あ、そうそう。
クルマに不具合が出たとき、原因追及で使ってみましたが、これはAIまかせでは解決しませんでした。
なのでちゃんとメカニックの方に相談する流れになってたりします。
そんな感じで、AIってのは使い方次第でイケたりイケなかったりするもの、と理解しています。
お仕事関係でわかってることとしては、
「権利のあやふやな部分をすっとばして自分のものです」とやってしまう人は嫌われるし、そういう輩は退場して欲しいけども、AI自体はこれからガンガン使われていくだろう。
そしてそれは止められないし、悪い流れでもない......ですかね。
使い方を間違えていたらどうしようもない結果しか導かれないから、
ちゃんとジャッジできるようになろうね、というのが現状の最適解かなと思います。
なんでこんなことを書いているかというと、アメブロさんが勧めてくれる「おまかせ生成タイトル」機能が、じつにアレなんですよ。
今日はそんなお話をポストする次第です。
AIを盲信しない。
それが今回のテーマ。
さて。
「おまかせ生成タイトル」というのは、検索エンジンで使われているワードをタイトルに使ったらリーチ(興味を持って見てくれる人の数)が稼げるから「AIでいい感じのタイトルを作ってあげますよ機能」だと思っていただいて間違いないと思います。
で、コレが非常にアレでして。
アメブロさんはこうおっしゃいます。
検索エンジン経由で読まれている
あなたの記事を
もっと多くの人に広げませんか
アクセス数のアップが期待できる
最適な検索表示タイトル作りをお手伝いします。
おお、そうか。
ではお願いします。
ということで、ボタンをポチ。
「日本のコミックがカラーじゃない理由は、いろいろあるんですよね。」
という記事について、タイトル候補をオススメをしてくれます。
検索ワードに使われるものは次の3つが顕著なようです。
「漫画」「カラー版」「嫌い」
これらを生かして生成してくれるみたいです。
ちなみに、どうして「嫌い」が入ってるのかというと、この記事を検索結果として表示する場合が多いから(閲覧ではない)というふうに理解すればいいみたいです。
で、タイトルが生成されました。
「カラー版漫画はなぜ嫌われる?モノクロとの違いと制作の裏側」
ちゃんと内容を精査してるの??(たぶん内容は見てない)
タイトル詐欺だよコレ???
はい。
これは「あってはならない釣りタイトル」です。
この記事で「カラー版漫画が嫌われている」なんてことはひとつも書いていません。ゆえに嫌われる解説もしていません。
「〇〇っていうマンガがカラーだったらもっといいのに」とか
「マンガをカラーにするのは(印刷じゃないから)安くできるのになんでやらないんだろう?」という
疑問に応える形で書いたポストです。
自分としては「コミック」という言葉が「マンガ」になろうが「漫画」になろうがどうでもいいし、その言葉の違い程度でリーチが違っても構わないんです。
だから「コミック」は「漫画」にしてもいい。
念のため言っておくと、
わざわざ「コミック」にした理由は「海外のマンガ」を表す言葉だからです。
アメリカでずっと昔から浸透してきたのは「コミック」なんですよ。
あちらは分業体制をきっちりと敷いて、カラーの漫画を作っています。
その成果物は「マンガ」でも「Manga」でも「漫画」でもなく「コミック」なんですよね。
その文脈を拾える人は「コミック」と「マンガ・漫画」でニュアンスを汲み取ってくれるはずなんで、そう書いてます。
わからない人は気づかない。
でもそれでいい。
データ上で、こっちほうがいいよと言われても、検索エンジンの振る舞い(時代の流行やアルゴリズム)でリーチが変わるのなら、場当たり的な対応で瞬間最大風速を狙うのではなく、時代に流されない、つまり検索エンジンに振り回されない、サスティナビリティの高い言葉を使い続けた方がいいんです。
だってさー。
言葉って流行で変わるじゃん。
チョベリグ〜
昔は流行ってたけど、今、誰も言わんでしょ。
そういうとこやねん。
だから時々SEOを見直す必要があるんですよね。
これについてはデザインでも同じことが言えるんですよ。
解像度が低い人を広く集めて売るというのはマーチャンダイジングとしてはありですが、ロングテールを狙うマーケティングとしては無しなんです。
なぜなら「わかってる人には忌避されてしまうから」なんですよね。
解像度が高い人にはバレてしまう。
だからちゃんとした記事を、ちゃんとした歴史のある言葉、廃れない言葉で書く必要があるの。
この話が「ヨクワカラン」という方につきましては、これ以上深掘りしなくても大丈夫です。
深掘りはぼくらが考えることなので。
ちょっと話を戻して。
「漫画」でも「マンガ」でも「まんが」でも「Manga」でも「コミック」でも、それはリーチするならなんでもいいんです。
だけど「嫌い」という話はしていないんですよ!!!
書いてもいない内容を、さも書いている記事として扱う姿勢は褒められたものではありません。
これはとても詐欺です。
検索ワードについて考察してみます。
検索者の中にカラーで出版された漫画が嫌いだから賛同者を探しているのか、
カラーで出版された漫画のことが嫌いっていう話を探しているのか、
または他の理由があるのか?
さっぱりわかりませんけれども。
「カラー版漫画が嫌い」なんて話はいっこもしていません。
そういう記事じゃないのに、タイトルで釣るのは酷すぎませんか?
こういうところなんですよ、AIの使い方を間違えると危ういのは。
AIでなにかを生成するにしても、ちゃんと文脈や背景を理解した上で実装して運用すべきなんです。
AIは生成よりも「単純労働を苦にしない」「平均点レベルの情報整理を爆速実行」「見落としをほぼゼロにできる」のがいいところですから、それとは種類の違う「クリエイティブ側の作業」をまるまるAIにまかせて安心...なんてことはないんですね。
プログラムや法律などのようにルールが定義されたものや、あるいは大量のデータがあればあるほどAIにはいいんですが、クリエイティブ側の作業はそういうわけにいかなくて。
例えば何かの成果物に対するアンケートをとった場合、評価の傾向はAIで見ることができるけれども。
じゃあ別案を出せと言った場合には、とったアンケートだけではデータが足りないんですよ。
アンケートに答えた人のペルソナを全員分取らなきゃいけないんで。(経験や人格、社会環境なんかを別途掘る必要がある)
そういう前提があって、さらに事実ベースの検討を経て提案に至る必要があるわけです。
だから検索されているワードに「嫌い」が入っているとしても、こちらはカラーの漫画を嫌ってるというポストなんて書いてませんから、検索者の期待にはお応えできません。
故に「カラー版漫画はなぜ嫌われる?」なんて書いちゃダメなんですよ。
これは公正さと誠意が疑われるものでしかなくてですね。
AIにまかせたらアホタイトル書かれた。
だとしても、公開を止める責任があるのは投稿者ということは、お分かりのことと思います。
次にいってみましょう。
「ブラックニッカのノベルティグッズはバーメジャーでした」
というタイトルについて提案してくれるみたいです。
検索ワードは「ニッカフロンティア」「メジャーカップ」が有力だそうで。
生成さんはこう書きました。
「ブラックニッカのノベルティはバーメジャー!計量カップの秘密」
商品に付けられてる景品を「ノベルティ」っていう言い方するっていうのは......まあ、確かにあるっちゃあるんですけれども。
あるんだけど、なんか古いかな。
広告代理店的には「ベタ付け」でした。
景品表示法的には「総付景品」です。
よりマーケティング的にいうと「ギブアウェイ」とかも。(外資系相手なら、とくにこちら)
少なくとも「ノベルティ」よりは「ノベルティグッズ」って書いた方がいいです。
Google翻訳で「ノベルティ」を見てみたら「目新しさ」が出てきます。
ノベルティ ≒ ヌーヴォ、ノーヴァ。
もうちょっというと、ラテン語のnovusからきてるっぽいです。
ラテン語の novus(新しい)が、ノベルティという英語のもとらしくて。
はい。
頭のいい人は気付きましたね。
バーメジャーって、定番アイテムなんですよ。
バーテンダーがカクテルをきっちり作るときに必要なもので、目新しさなんかゼロです。
そりゃぼくみたいな人間がバーをやるっていったら、必要ですが、そもそもバーテンダーってあんまりメジャーを使いません。
分量が身についてますからね。
一般消費者が見た時に「店頭の景品」としては、もしかしたら目新しいかもしれませんが、業界的には計量スプーンと同じです。
大さじ・小さじと変わらん。
なにが目新しいんだよ?
とくに新しいあしらいがあるわけでもなく、ちょっと名入れしただけの計量カップだよ?
そりゃ買うと高いけどさ...。
ってなりません?
「ノベルティ」をそのまま使うのは、言葉として中途半端すぎるんですよね。
本来なら「グッズ」をつけるとか、「ギブアウェイ」にするとか、対策すべきものだと思ってるんですよね。
だけど一般人は興味なさそうだし、「ギブアウェイ」なんてご存知なさそうだし、「ノベルティ」と短いタイトルにするのはSEO的配慮も効かせててることは理解できるのですけれど、ぼくとしては避けたい書き方なのです。
この記事についてはSEOを狙ってたわけじゃないので。
そんなわけで「ノベルティ」は、一般には使われるかもしれん。
けど、ぼくは避けたい。
ヘンに浸透しちゃったら、もうどうしようもないモノでもあります。
使う人の利便性で変わっていきますからね、呼び方って。
スーパーへお買い物に行く、と言いますけれど、本当はスーパーマーケットなんですよねアレ。
デパートっていうけれど、デパートメントストアです。
イラストレータはイラレって呼ばれちゃうし、フォトショップはフォトショになってたりします。
浸透しちゃってるので、一般向けに語っても仕方のないレベルにまでなりました。
これについてごちゃごちゃ言うつもりはないんです。
ただ、マーケティング関連ではライフやヤオコーみたいなスーパーのことをSM、もっと大きな小売業態のイオンとかをGMSと言ってたりします。
前者をスーパーマーケットの略で、後者をジェネラル(ゼネラル)マーチャンダイジングストアの略として、それぞれ使ってます。
マーケティングという考え方と一緒に輸入された言葉なので、日本だけ独自に違う言葉を使い始めるにはちょっとハードルが高いのかな? なんて思います。
本場のマーケティング用語が短縮していないのに、日本だけ短縮していくと、新しい考え方が入ってきた時にとっちらかってしまう。
みたいなことが関わってたりするのかなあ、なんていう想像をしています。実際のところどうなのかはわかりませんけれども。
そんなわけで、「ノベルティ」についてもコピーライターとマーケティングの人々は「多少」指摘するかもしれんけれど、クライアントが「ノベルティで行く」と言ったら「あっはい」で進める空気のやつです。
ぼくが広告代理店のお仕事をしていたときは「ベタ付け」から「ギブアウェイ」に変わっていく潮流がある感じでした。
いまになってもノベルティって言ってる人は、ちょっと(いやかなり)古い人かもしれません。
英語の「Novelty」は、「新しくて珍しいもの」「まだ経験がない興味深いこと」という意味になります。
この1行について、引用元はこちらです。
https://hirameki.noge-printing.jp/why_novelty_200212/
こんな記事もあるくらいでして、
日本的な略語として「ノベルティ」が使われていますけれども。
これって
「デザインカンプ」とか
「ロゴマーク」とかと同じくらいの
アホさ加減があるものだと思っていただければ。
アホだと思われたくなければ、使うのをためらうワードです。
生成さん、大丈夫?
それとね?
この記事では
計量カップの秘密なんていっこも書いてねえよ!
謎解きなんてしてねえよ!!
なんですよ。
ねえ、ホント大丈夫?
書いてないことをタイトルに入れるの、OKなの?
生成さんが心配で心配で、夜しか眠れませんヨ。
じゃあ次いきましょうか。
「自分で撮影するデザイナー。カラーチャート使ってます?」
ってタイトルについてご提案いただけるみたいです。
「自作カラーチェッカーで色再現UP!デザイナー向け色管理術」
あっかーん!!!
あのな?
デザイナーはカラーチェッカーを自作したらダメなんよ、おーん。
こんなん簡単やん。
なんでわからんかなあ。
おっと、脳内どんでんが出てしまいました。
グラフィックデザイナーはチェッカー関係については
「自作ほど信じてはいけないものはない」のです。
治具はいいですよ?
だけどカラーチェッカーは自作しちゃいけません。
ちゃんと校正された道具を使って確認しないとダメなんですよ。
たとえば定規、あるじゃないですか。
目盛りって自作しないですよね?
JIS規格のものを買ってきて使いますでしょ?
お肉屋さんは秤を定期的に「校正」しておられます。
自作したら騙し放題じゃないですか。
公正さも適正さもありませんよね。
こんなタイトル使ったら、待ってるのは廃業一択ですよ。
......もうね、AIを盲信しちゃダメっていう例のオンパレードでした。
AIは、使う側の経験と知識がないと、ダメな結果しか待ってません。
そんなわけでダラダラと書きましたけれども、
AIは使い方次第でものすごく結果を左右します。
ですから「知らない分野のこと」は「きっかけ」として使う。
そこから裏取りは必須。
知ってるものについても、文字校正レベルでのチェック(デザイナーが嫌いな作業のひとつ)をして、怪しいところがないかを確認する。
慎重に。
鵜呑みにせず。
適切な対処をしましょうね、というお話でした。
備考
念のために申し上げておきますけれども。
アメブロさんは、もしかしたら生成タイトルをAIで作ってないかもしれません。
AIではない、なにか別の方法かもしれない。
ですがツールとして使うものは「なんであっても要注意」なんですよ。
芯を食ってない点については書き連ねた通りですし、
詐欺だと受け取られるような手法でリーチを稼いでいたら、
近い将来、GoogleのAIによって順位を下げられる、あるいはシャドウバンを食う事態が待っていると思います。
検索エンジン自体はアメブロさんが提供しているものではありませんから、検索エンジン次第でどうにでもなってしまう状況のなかでは、公正で誠実な記事こそがキモなんだと思うんですよね。
生成AIが嫌われている理由のひとつには、公正とか誠実といったものが感じられないから、というのもありそうです。
ともかくアメブロさん、ガチでもっと生成タイトルの精度を上げていただけませんか?


