ずいぶん前にCMYKの色指定が10%刻みである理由を書きましたけれども。
最近またSNSでそんな話を散見しています。
リアクションについては「わかっておられる方」と「そうじゃない方」とで、反応が分かれる感じになっております。
近年はホントに「1%単位」とか「小数点」とかで指定されるケースはママあるみたいでして、そんなデータが届いたらちょっと困っちゃうんですけれども、大きな企業でなければそこそこOKになってる確率は高そうだなあ、と思ったりします。
実際のところ、中小企業系だと色校正を出さないケースが増えてると思うんですよ。
厳密な色管理よりは「速さ」「勢い」「雰囲気」を選んでいる感じがありますよね。
まあ、そこら辺は昔からいろいろあったんですよ。
「このコピーもっと立たせて!」
「文字を金赤に!」
「トーン・アンド・マナーよりもとにかく目立ち!」
全体のバランスとか企業のイメージとかを意識していたら、ビックリの店頭棚目線指示が飛んできたものです。
少なくとも40年前から変わっていないと思います。
それより昔は知りません。
業界にいなかったので、てへぺろ。
最低でも40年続いた志向性は、現代に最適化されておりまして。
「適切な色管理」よりも「即効性」がクライアントの判断基準になってる確率は高そうです。
その根拠として挙げられるものが、生成AIで作った販促物の流通。
商品写真ですらAIで生成され始めていて、ディテールの違いや色は二の次になっているようなんですよね。
で。
「それっぽく」て「即効性」を求めた結果、どえらいことが起きています。
SNS上で見かけた事例としては
- 税込価格が小数点以下!(いまどき銭は払えない)
- 指が6本になっているタレント!!(本人がそういう体質じゃなければただの見落とし)
- ありもしない漢字!!!(小学校からやり直せ)
といった、色管理とかいうレベルを遥かに下回る品質のものが流通しているそうです。
校正されていない。
校正されていても、チェック項目がザル。
「まさかそんなところに落とし穴が?」というモノが世の中に出てしまいました。
そんな感じなので、CMYKを10%刻みで指定しようねとか言っても、世の中はそのレベルに達していないんです。
「フグには毒があるから自分で捌くのやめようね」みたいな話を「業界関係者」に向けて説かなきゃいけないって言われたら、「好きにしなさいよ」ってなるわけでして。
だって料理人は知ってるじゃないですか、フグ捌くには免許がいるって。知らないのは一般人ですよね、みたいなアレです。
「業界関係者」なら分かってるから、わざわざ言ってあげる理由がないんです。それが常識だから。
最近、某所では毒カニラーメンでえらいことになってたらしいんですが、プロなら分かってるハズのところをスルーした一般人の事故なんです。あの方は有名人らしいので目立ちましたが、世の中にはもっともっと多くの「隠れたカニラーメン」が存在するんですよね。
もう話題としては埋もれましたが、「デスマフィン」なんてものもありましたし。
そんな一般人の事例については面倒見きれないと思うわけです。保健所の方がんばってください、くらいしか言えないんですよね。
親でも先生でも神でもないですし、そっちはそっちの業界で啓蒙していただかないと。デザイナーが料理の基礎を説法したらおかしいじゃないですか。それは料理人がやるものです。
そんなことが印刷系でも増えているんで、注目はしています。
だけどさすがに水面下で発生して世に出た事故については、どうしようもなくて。
事故を見聞きしてから「キヲツケヨウネ」ってお伝えすることくらいしかできません。
メンターとか監修とかつけた方がいいんじゃないかなー、と思ったりもします。
というわけで、
CMYKが10%刻みという基礎は当然なのですけれども、その下の下のレベルの基礎から身につけていただかないと「どえらい賠償金」を請求されちゃったりするので、お気をつけいただければ、というお話でした。
みなさま、ご安全に。