観てきましたよアカデミー大本命映画『ラ・ラ・ランド』…
もううううね良いところだらけですけども特に何が嬉しかったかって、見事にだまされ予想外に心乱されすぎて結果めちゃくちゃ気持ちよかったことですよ…
「エマ・ストーンとゴズリンでカラフルたのしいミュージカルひゃっほーい!」気分で見に行ってしまったものですから、まさかぐっばぐばに泣かされるだなんて微塵にも思わなくてはーーーーーーあ驚いた、最高でしたね!!
これね、女優志望のミア(エマ・ストーン)とジャズピアニストのセブ(ゴズリン)、夢を追うふたりが出会って恋に落ちて…という大変にシンプルな物語なのですが、予告編にこちらもシンプルながらとんでもない仕掛けが、ほどこしてあるんですよ。
「どこ」とは明言しませぬが、一度見たら高確率で印象に残るに違いないシーンがあるんですけれども…
▼『ラ・ラ・ランド』予告編(日本語版もでもいいけど、なるべく本国版のほう↓)
それがなんとなーく頭に残っている状態で観に行きますと、映画の序盤で「おっ、きたきた例のシーン!」と胸が高鳴り出…したところで、なんと猛烈な肩透かしを食らうんです。それこそ「スカッ!」って音がするぐらいに。
「えっ?えっ?」と戸惑っているうちに物語はテンポよくどんどん進み、やがて美しい音楽と魅力的すぎる主人公たちに心が占拠され、たちまち違和感は消え去ってしまうのですが…
物語の後半それが再びじわじわと掘り起こされていきまして、最終的に「うううううあわあそういうことか…!!!!!!!」とどエラい伏線としてばっっちり回収されていくのです!
こんなにいとおしくも切ない感情の名を、いい年こいて私はまだ知りません。
「泣ける」なんてもんじゃあなく、全身ばったんばったん折り曲げながら目から鼻から水分垂らして、だけれども決してそれが嫌ではなくむしろ気持ち良い、そうなのめっちゃくちゃ気持ち良いやつなのです!!
私普段ですと、気になる映画ほど極力前情報を避けて予告編も見ずに行ったりするのですが、本作に関しては「予告編見ておいてよっっかった!!」と心から思いました。珍しいよね!
それでまたミアとセブのふたりがね、ピンでも魅力的だけど、ふたりでいるとたんんんまらなくお似合いでね…
ジャンルは違えど「いまはまだ叶わぬ夢を追いかけている」ふたりが、夢追い人ゆえの妙なプライドで初めはちょっと反発しあうも、似た者同士次第に惹かれあい、誰がどう見ても「両思いの極み」状態を経て晴れて恋人になるんですけれども、この恋路を見られて幸せすぎですありがとうございますと合掌せずにはいられないほど輝いているのですよ!
そして、夢追い人同士が一緒になると、ふたりの夢が同時に叶うとは限らず、大人としていろんな選択をしなくてはならないという、うーわこれだよこれが人生だよ人生讃歌だよおおおお!!(ちなみに特にネタバレではないよ!)
ほんとにねえ、ミュージカルミュージカルしたものを見たくてノル気満々で観に行ったら、想像をはるかに上回る最高の贈り物をいただいた気分です。
もちろん歌も躍りも素晴らしく、ビジュアルの美しさやエマ&ゴズリンのお芝居も、目に写るもの耳に届くものみーんな素敵!
しかしながらこの、感情を弄ばれまくる感覚は何物にも替えがたいので、でっかい画面でたくさんのお客さんたちと一緒に思い出を共有しましょう、絶対に絶対にそれがいい!!
久しぶりに「いい映画観たなあああ!」という満足感でいっぱいです。それであのふたりのこと考えてまた目頭熱くなっちゃうんだ…
▼『ラ・ラ・ランド』公式サイト
http://gaga.ne.jp/lalaland/sp.html
ちなみに明日はいよいよ、アカデミー賞の発表ですね!
本作を見ると「エマにオスカーを頼む!!」と願わずにはおられませんが、歌がとにかく良すぎるので作曲賞と歌曲賞、そして「高速封鎖して長回しで撮った」(マジかよ)という圧巻過ぎるオープニングを見たら撮影賞もかたいに違いない!と思います。
そしてこんな傑作を31歳で撮っちゃうデイミアン・チャゼルには、必ず監督賞を差し上げていただきたい!!
っていうか最多14部門ノミネートそのまま全部とってほしいよな!楽しみ!!