【映画】友だちのパパが好き←この世で一番見たくない「家族のエロい一面」が… | 一生懸命空気イス

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映画の感想を中心に、ぐっと来たものを大小問わずご紹介しています。いらっしゃいませ!

単純にこの世で一番見たくないものって、「家族のエロい一面」だと思うんですよね。そこだけは感じさせないようにお互い最大限に気を使うべきだし、どうか脳裏をよぎることすらありませんように…と願って願ってやみません。

そこへ正面切ってブッ込んできたのが、現在公開中の映画『友だちのパパが好き』です。

女友達がひとんちの父親を「異性として好きだ」と「その娘と母親に」伝えてくるところから、物語が始まるんです。

もう…「うーわ」ですよ!

自分ちにそんな爆弾投下されたら…って反射的に想像してえづいちゃって「うーわ」ですよ!!

ちなみに女子たちは18歳ぐらい、父親は50歳。
けしからんですよ、まったくもってけしからない!

当然のように不快がる娘、「どこがいいの?」と冷ややかに返す母親、純愛は正義だと言わんばかりに熱弁をやめない女友達…

もおおおこの明らかな温度差がですね、劇場から逃げ出したくなるぐらいに気ん持ち悪いんですね!

人様のご家庭にご迷惑をおかけするだけでなく、身内が感じる生理的嫌悪感になぜ気付かない…

女友達まじでやめろよ!
お母さんの「主人に言っとくねー喜ぶよー」を間に受けるなよ!
キモがられてイラつかれてるのに気づけよ浮かれてんなよ!

お願いだから!!

そうやって近しい人たちへ思いを吐露して以降、女友達は父親への猛アプローチを開始。

帰り道でまちぶせしたり、LINEを交換してメッセージを送りまくったり、本気度を念押しして娘から「好きにしていいよ(呆)」発言を引き出し、つまり公認してもらうようになります。

そこからですね、いたって普通だと思っていた家族が「スキャンダル的には一億点」な崩壊の一途をたどるわけですね!!

冴えないはずの父親には長年愛人がおり、両親は離婚を決めていて、そのうえさらに女友達と親密になっていくという…

もおおおね、父親がクズすぎ!クズの王様!今年度圧倒的最優秀クズ男!

愛人(30代)だけで飽き足らず、娘の同級生と…ってもう文字打ち込むのもはばかられるぐらいクッズいですね本当にクズ…

人の父親を名前で呼んだり、「意外とスタンプ使ってくるよ」とか知りたくもなかった情報入れてきたり、女友達もたいがいなんですが、まんざらでもなく応えている父親に再び「うーわ」ですよ…

ちなみにね、父親役は吹越満さんなんですよ。

ずーるーいーわーーーーー!!!!

だって吹越さんですよ。
基本的物腰やわらかで、なんだかふわ~っとしていて、でも痩せこけてめっちゃくちゃ顔が疲れている、吹越さんですよ。

これほんとうに絶妙な配役だと思います。

何せね、

「メンヘラ女はみんな吹越さんが好き」の法則にのっとっているわけですからね!!

(決して、決して報道される限りで知る実生活での吹越さんの女性遍歴に由来しているわけではなく)

みなさん周りのメンヘラちゃんに聞いてみてください、100パー吹越さん好きですから!なんかねすごく自信がある!
(私も例によって好きなわけなんですけれども)

劇中でも、とりわけ女友達はメンヘラの香りが強いんですが、よくよく考えたら本妻も愛人もちょっとその気があるように思います。

…いや、男女問題においては、女はもれなくメンヘラになるのかもしれません。

口説きシーンこそ出てきませんが、多分吹越パパは、自分から女に手は出していないはずです。

女友達だって自分から猛アタックしたわけですし、きっと吹越パパは肯定も否定もせず、メンヘラホイホイにかかったところをやさしく受け入れていつのまにかねんごろになり、だけど「相手が望んだことだから」スタンスで責任感を持たずに、ふんわ~り、やり過ごしてきたのだろうなあと…

もはや映画どうこうでなく妄想レベルの話しになってしまっておりますが、それぐらい身近に起こりうる恐怖といいますか、昼ドラ的題材にもかかわらず恐ろしくリアルで、「友だちのパパが好き」になった女友達をきっかけに起こる事件の数々が面白すぎるんですね。

こんなのどうやって決着つけるのよ!と心配になるぐらい盛りだくさん、だけどある意味きれーいな着地をとげるので必見です!!

とにかくね、もう、大人は何かしら秘密があるのはいたしかたない。

男女問題とか大なり小なり揉めたことがある、みんなあるある大人なんだから。

しかしながら特に身内のそういうのはどうしても知りたくないので「事件はうまく葬って!」なのか「私の察知力よイカれろ!」なのかよくわかりませんが、『友だちのパパが好き』な目には絶ッッ対にあいたくないなあああと心底思いました。

こうやって自分の身に置き換えては恐怖に震えてしまうような映画、大ッ好きです!!

▼SPOTTED PRODUCTIONさんにハズれなし!
『友だちのパパが好き』公式サイト
http://tomodachinopapa.com

なお、「この映画を見ないと今年は終われない」として本作を激推ししてきたのは、他でもない私の父親であることをお伝えして、終わりの挨拶と変えさせていただきます。

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本作の山内ケンジ監督、どうしても「ソフトバンクのCMの人」として認知しがちですが、いやいやもう完全に映画の人じゃん…超面白いじゃん…!
今後は個人的に「友パパの人」と呼ばせていただこうと思います。

未見の監督作、ちゃんと観ます!!
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