クラウド・メアリー | タカンナオトシゴロ

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アマチュア劇団シーブの湯飲み茶碗「キアサマトモイ」がお送りする、私的詩的妄想マテリアルワールド!!



私は雲。


名前はメアリー。


言ってしまえば身も蓋も無いけど


そうなのよ。


おほほほほほほ。




いつもあなた達を


アタマの上から


見下ろしてあげてるのよ。


おほほほほほほほほ。




言い方が気に入らない?


おほほほほほほほほほほ。






私の事を話すわよ。




何よ。


まだ、グズグズ言うの?


置いてくわよ。




私、低気圧の


キャサリン姐さんから


産まれたの。




姐さんなのに


母さんなのって?




ませた事言うのね。


世の中、複雑なのよ。


あーたみたいな


子供にわかるかしら?


おほほほほほほ。




とにかく


キャサリン姐さんは


早起きが苦手よ。




ケホン。




話は変わるけど


私には


友達がいるの。




悪友よ、悪友。


阿久悠じゃないわよ。


あんた、ふざけてる?




風のヒデアキ君よ。


いいえ、彼氏じゃないわ。


余計な詮索しないで


ちゃんと聞いてくれる?


いやらしい人ねぇ。




でも、


イケメンっちゃ、イケメンよねぇ。


あんた、


余計な事しないでよね。


しばくわよ。


おほほほほほほほほ。







・・・ヒマね。







あっ、旅人がいたわ。


寒いから


コートでぐるぐる巻きね。


ちょっとイジメてあげるわ。




ねぇ、ヒデアキ君。


あんたの一吹きで


あのコートを


ひっぺがしておやんなさい。




うるさいわね!


私がやれって言ったら


さっさとやりゃいいのよ!




あら。


見てた?


おほほほほほほほほほほほほほ。






あら。


なかなかしぶといのね。


貞操帯でも着いてるのかしら?


・・・冗談よ。


笑うとこでしょう?


鈍いわね。


まあいいわ。




ヒデアキ君、


以外に頼りないわね。


私、ちょっと見損なっちゃったわ。


男なら強くなくっちゃ。




いいわ。


私の体から


大雨を分泌させて


あのコートを


剥ぎ取ってやるわ。




それぃっ。




・・・駄目ね。


余計にガードが固くなったわ。


身持ちも固そうなタイプね。




ヒデアキ君、


一緒に攻撃するわよ。




そいやっ。




・・・全然駄目ね。


次はどうしてやろうかしら。




「これー。なーにをしておるー。」


あっ、太陽っ、いや


お日sunだわっ。


やな時に現れるわね。




「まーたー、よわいものイジメをー
しーてーおーるーのーかー。」


うるさいわね。


そんなの見りゃ分かるでしょ。


あー、もう、ゆううつ。




「わるさするやつはー、わしが
こらしめてやるー。
えいっ、こうぢゃー。」


えっ?


熱い!熱い!


ちょっとあんた!


蒸発するじゃないの!


私だって産まれてこのかた


発情する事はあっても


蒸発した事はないわよ!


消えてなくなっちゃうじゃない!


やめてよ!




「わるさするやつはー
こらーしーめーるー。」


きゃーっ!消えるーっっっ!!!






ーー そして、メアリーは ーー
ーー その全てが雨となって ーー
ーー 大地に流れ落ちた ーー




「よおし。よおし。
いっけんらくちゃーく。
ヒデアキよ。
ともだちはえらべよー。」








ーー 一方、川のせせらぎでは ーー



お日sunのやつ、


ひどい事するわ。


でもね、


終わったと思ったら大間違いよ。


カタチ変えても


私は生きるの。


輪廻転生よ。


そして、いつか


お返ししてあげるわよ。


その時まで待ってなさいな


お日sun。


おほほほほ。おほほほほ。おほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほ。 はぁ。