衝撃のいっくんトートとの出会いから1週間経ち、ようやく少しずつ頭の中が整理されてきた…気がする
いろんな方の感想を読み、娘も観てきてくれて、話をした結果、いっくんのトートを私なりに解釈してみたので……書いてみる
以下、ネタバレあります
いっくんトート、舞台上では、ずっとこんな表情のままで、声色もほとんど変えない
何考えてるのか、全くわかんなかった
で、たどり着いた答えは…前の前の記事にも書いたけど、人型の中に概念としての死がぽこっと入った感じ
だから、感情は動かないのかな…って
だけど、やっぱりいくつか腑に落ちないことがあるので、一旦、原点に立ち返ってみる
トートが言うところの"皇后への愛""生きたお前に愛されたい"とは…
本当ならシシィが木から落ちた時にそのまま黄泉の世界に連れていくところを、自由に生きることを渇望する少女の強い魂に心惹かれ、もう少し生かしておいて、シシィの方から、黄泉の世界に私を連れて行って懇願されたいっていうことよね
だから、つきまとって、時々、生きることが嫌になるようにちょっかいを出すのよね
でも、シシィは簡単には生きることを諦めないから、そこでトートは、悔しくなったり、イラッとしたり、焦ったり、優しくしてみたり、冷たくしてみたり…って、無敵なはずの黄泉の帝王が、たった1人の少女に振り回されるのが、この作品の見所の一つだと、私は思っていたの
だけど、いっくんトートは、全く感情を表に出さない全く振り回されていない
これをどう捉えるか……
いつもじとーっと闇の中からシシィを見ていて、シシィに関連する人々も含めて、次から次へと嫌がらせをして、それを楽しむでもなく、失敗しても悔しがるでもなく、淡々とシシィのそばにいる…で、長い時間をかけて、これでもかっていうくらいシシィを痛めつけて、自分の胸に飛び込んできてくれるのを待つ、このドS極まりない執着、これこそがいっくんトートが表している死神の愛なのか………こ、怖い
でも、ホントにいっくんトート、不気味で怖かったのよ……
でもね、これだと、愛と死の輪舞 の歌詞が、意味を成さなくなってしまう……
この曲は、ヅカ版エリザのために追加された、トートの恋心を綴った曲(後にウィーン版にも追加)なので…どことなくロマンチックぶっちゃけ、ヅカ版のTHEシシィとトートの恋物語テイストにはしていない東宝版からは、この曲、抜いちゃった方がいいんじゃないかと思っている…いっそのこと、完全にウィーンオリジナル版に寄せちゃて
でも、がっつり、歌ってるから、そこはやっぱり、辻褄が合わないと気になる
いっくんトートは…
♪凍った心…は溶かされていないように見えるし、♪俺の全てが崩れ…ているようにも見えないし、♪青い血を流す傷口……癒やして欲しそうでもない……めちゃめちゃ自分を保っていて、強そうだからさ
これについては、どう思うって、娘に聞いてみたところ……
もうね、いっくんのトートは、次元が違うのだと私たちの目にはそう見えないけど、あれでも死神としては充分心は溶けているし、崩れてもいるんじゃないか…って
人間レベルで考えてはいけないらしい
感情というものを理解できないのかもね…いっくんが描く死神様はでも、シシィにだけは、何かしらを感じて、取った行動が執拗なつきまとい
やっぱ、ヤバいやつやん
で、こんなねじ曲がった執着を"偉大なる愛"だと言ってしまう、ルキーニもやっぱり人間的にヤバい奴なんやね
恋愛感情豊かなトートの場合、この"偉大なる愛"の意味合いが、私には、またちょっと違って、"黄泉の帝王が1人の人間に振り回されるなんてシシィってそれだけ魅力的なんだな…あぁ、素晴らしい愛の物語だ"…という風に聞こえるから、不思議
今期、いっくんトートとゆんくんトート、真逆の役作りで、どちらもなかなかのインパクト
恋するトートは、ゆんくんががっつり観せてくれたし、とりあえず、いっくんの無感情な表現を、私なりに解釈して、受け止める覚悟ができたので、次は、その辺りを冷静に観て来たいと思います
で、エリザの後、予定真っ白だった甲斐くん
やっぱり『RENT』でロジャー再びでしたね
作品的にはあまり、前のめりではないのだけど、甲斐くんのパフォーマンスは観たい
………だけど、これも3月……
もう、『太平洋…』と『ジェーン…』と『ジキル…』で、いっぱいいっぱいなんだけど
スケジュール悩むわ