こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
小さなお店では、「売上げをどうやって上げればいいのか?」という質問をよくします。
しかし、何度もその質問を自問自答しても、なかなか良い答えが見つけられないことが多いでしょう。
なぜなら、この質問は目先の問題に焦点を当てすぎて、全体像を見失ってしまいがちになるからです。
なので、売上げを上げるための有効で具体的な方法を探す前には、まず、「売上げが上がったら、具体的にどうなるのか?」という質問が重要になります。
例えば、有効な解決策によって、売上げが上がったとしましょう。
そうするとどうなるのかというと、有効な手段なら収益が増加します。
そのため、資金繰りもラクになるでしょう。
しかし、その一方で、お客さんの数が増え、それに伴ってスタッフさんの業務量も増加します。
そのため、スタッフさんの人数の増加やミスが起こりやすくなり、より多くの費用がかかる可能性も出て来るのです。
このように、単に売上げを上げるだけでは、必ずしも良いことばかりではありません。
では、上記のようなことが起こらないようにして、売上げを上げるためには、どのような方法を選べばよいのでしょうか?
例えば、お客さん一人当たりの購入金額、つまり客単価を上げる方法を考えることができます。
その際、価格設定を見直したり、高価な商品やコースを新設したりすることで、客単価アップをさせる試みは有効です。
この時、全体の価格を一気に値上げするだけでなく、メニューや商品ラインナップを工夫して、お客さんのニーズに応じた提案をすることが大切になります。
しかし、客単価が上がっても、良くないことがあるのです。
それは、一部のお客さんが、価格の高さに驚いて来店されなくなる可能性があります。
もちろん、その一方で、価値の高さを感じてくれるお客さんは、より高品質な商品やサービスを求めて、リピートしてくれることでしょう。
このようなお客さんは、単価が上がった分、満足度も高まるためリピートされやすくなるのです。
そのため、リピートされやすいお客さんを増やしていけば、収益性がどんどんよくなるでしょう。
このように、具体的な行動を起こす前に、「その行動をすると、結果としてどうなるのか?」を予測することで、より良い決断を下すことができます。
しかし、この予測がハッキリとイメージできないと、「どうすれべばいいのか?」という質問を繰り返してしまうでしょう。
この原因の多くは、「自分が結果的に何を望んでいるのか?」、ここがしっかりと理解していないからです。
だから、「どうすればいいのか?」と迷った時は、一旦立ち止まって、「もしもそうなったとしたら、どんな結果になるのか?」を自問してみてください。
その答えが見えた時、次のステップが明確になるはずです。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則