こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
最低賃金が約10年くらい底上げされて、今、『1000円前後』になっています。
そんな状況で、売上げが下がってくると、急に利益が出なくなるのです。
そうすると、最悪の場合、お店を閉めなければいけなくなります。
しかし、実は、お店が閉まって得をする人は、誰もいないのです。
例えば、
・お店を長らく利用されているお客さんは、行くところが無くなって困ります。
・お店で働いているスタッフさんは、給料がもらえなくなって困るのです。
・お店の大家さんは、家賃が入らなくなって困ります。
・もしも、借金をしていたとしたら、銀行は返済が滞って困るのです。
このようにお店が閉まれば、損をする人がいても、得をする人は少ないでしょう。
だから、お店は絶対に閉めてはいけないのです。
では、そのために、まず取り組むことは何でしょうか?
色々ありますが、その1つに、スタッフさんの『時給の何倍の売上げが必要なのか?』を、決めることから始めたいですね。
これを式で書くと、『時給×〇倍=売上げ』です。
例えば、その倍数が4倍だったとして計算しますね。
時給1000円のスタッフさんが1人で1時間働いたとして、その4倍が売上げなので、1時間に4000円の売上げが必要です。
例えば、その倍数が5倍だったとしたら・・・
時給1000円×5倍で、5000円の売上げが必要になります。
ちなみに、この倍数は、お店の事情によって変わると思って下さいね。
例えば、立地が良くてお客さんが多く集まるお店では、家賃が高くなるので、倍率は高くなります。
逆に、立地が悪くてなかなかお客さんが集まらないお店は、スタッフさんのスキルが重要になるので、倍率は低くなるのです。
先程のスタッフさんの時給の4倍の売上げが必要なお店で、さらに計算しますね。
『時給1000円×4倍=1時間の売上げ4000円』のお店が、次の条件で1カ月営業した場合、
・スタッフさん1人体制
・1日の営業時間、10時間
・1カ月の営業日数、25日間
そうすると、人件費は、『1000円×1人×10時間×25日間』で、25万円です。
その時に必要な1カ月の売上げは、『25万円×4倍』で、100万円になります。
年間だと、1200万円の売上げが必要になるのです。
これが、5倍なら、同じような計算をすると、年間1500万円が必要になります。
このように、『時給の何倍が売上げなのか?』を決めておくと、目標の売上げの目安が簡単につかめるので便利です。
これらを踏まえて、時給の4~5倍の売上げを実現するためには、『どんな商品価値が必要なのか?』や、それをお客さんに受け入れてもらえるために、『どんな接客スキルを身につけなければいけないのか?』、そのようなお客さんを集めるためには、『どんな販売促進が必要なのか?』などを、どんどん考えて行きます。
そうすると、『時給の何倍が売上げなのか?』が決まると、スタッフさんの行動が変わって行くのです。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則