こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
『何かを知って、分かったつもり』になっても、『実際は、何も分かっていない』ことが多くあります。
なぜなら、すぐに行動できないからです。
本当に分かったのなら、すぐに行動できます。
行動できない原因は、『今までの解釈を、なかなか捨てられない』ことがほとんどです。
例えば、『今、売上げが伸び悩んでいた』とします。
これは、『客数の減少』が、大きく影響していたとしましょう。
そんな時は、『売上げよりも利益を重視した取り組みが有効である』と知ったとしても、なかなか行動できません。
なぜなら、『今まで、売上げ重視の取り組み』をやり続けて来たからです。
特に、売上げ重視のやり方で、成功している人ほど、『今までの解釈』を捨てられません。
だから、どうしても『売ろう、売ろう』とします。
そのやり方のほとんどは、『安売り』です。
しかし、今は、『安売りで、売ろう、売ろう』としても、安売りした損失を、売れた数量の利益でカバーしきれません。
つまり、安売りすればするほど、損してしまうのです。
これを、『分かったつもり』と言います。
本当に、『利益重視の取り組み』をするのなら、『売ろう、売ろうとするのを、一旦止めること』です。
もっと言えば、『積極的に売らなくてもいい』と思うことが大切になります。
しかし、このように言うと、『そんなことをしたら、大変なことになる』と感じてしまうでしょう。
この背景には、『売らないと、商品やサービスが売れない』と勘違いしているからです。
では、本当に、『売らないと、商品やサービスは売れない』のでしょうか?
これは、実際に試してみれば、『何もしなくても売れる』ことは、すぐに分かります。
ただ、『数多く売れるのか?』というと、そんなに甘くはありません。
しかし、ここで分かることがあります。
それは、『何もしなくても買ってくれるお客さん』の存在です。
このお客さんは、『商品やサービスで得られる成果に、納得している』から買ってもらえます。
では、このお客さんが、納得している成果は何でしょうか?
『この納得している成果』を、分かりやすく伝えることができれば、そのような成果を手に入れたい別のお客さんに、買ってもらえるのです。
これは、『売ろう、売ろう』としたからではなく、『何もしなくても買ってくれるお客さんが、納得している成果』を伝えたから売れたことになります。
そのためには、『売らないと決める』ことが大切なのです。
『売ろう、売ろう』としている人が、『売らないと決める』ことは、頭の中がぐちゃぐちゃになるようなカオス状態になります。
しかし、このカオス状態を通過しないと、『今までの解釈』を捨てることができないのです。
ところが、思い切って捨てることができるようになると、『新しい解釈』ができるようになるので、今まで伸び悩んでいた売上げに、回復のきざしが見えますよ!
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則