こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
お客さんから、『これを、して下さい』と言われると、『はい、分かりました』と答えるスタッフさんが多くいます。
この対応は、間違いではありません。
しかし、本当にこれで済ませていいのでしょうか?
例えば、美容室のお客さんが、お店に来られて、いきなり次のように言われたらどうしますか?
◆『ショートにして下さい』
これに対して、『はい、分かりました』と答えるでしょうか?
その後、実際に『ショート』にするでしょうか?
恐らくしないはずです。
少なくても、次のように尋ねると思います。
◆『どうされたのですか?』
◆『何か、気になることでもあったのですか?』
など、お客さんの意図や事情を聞くはずです。
この答えが、
◆(A)『髪にクセがあって、思うようなスタイリングできないから』
◆(B)『髪のダメージがひどくて、朝の忙しい時間に手間取るから』
あるいは、
◆(C)『精神的なストレスを感じたので、気分転換したいから』など
この時のポイントは、それに対してプロとして、『何を、なぜ提案するのか?』です。
例えば、(A)や(B)の意図や事情の場合だと、スタイリングしやすくて、素早くまとめられるやり方が、『ショート以外』にも提案できると思います。
このプロの提案を知った上で、再度お客さんが、『ショートにするのか、しないのか?』を選んでもらっても、遅くはないのです。
もしも、こちらの提案を納得することができれば、『ショート以外のやり方』が行えます。
これは、プロのあなたによって、お客さんの解釈が変わったことを意味するのです。
施術してもらった後、実際に体験をしてもらって、上手く行けば喜ばれます。
そして、『あなたの言う通りにしてよかった』と、感じられるのです。
そうなると、お客さんは、プロとしてのあなたの存在を認めてくれるでしょう。
もしも、提案したことで問題を解決できなかったとしたら、次回の来店時に、『どんなことが、気になるのか?』を再度お聞きすればいいのです。
ただ、(C)のような『精神的なストレス』を感じている場合は、『気分転換できるショートで、おしゃれなスタイルを提案』してあげましょう。
この場合も、ただ単に髪の毛を短く切るだけではいけません。
『気持ち良く、気分転換できるという意図』を、叶えてあげるのです。
このようにお客さんが、『これを、して下さい』と言われた時は、『はい、分かりました』と答えるのではなく、『どうされたのですか?』や『何か、気になることでもあったのですか?』と意図や事情を聞くことが大切になります。
とは言っても、お客さんとの距離感が遠いと、『別に・・・』と意図や事情は答えてくれません。
しかし、お客さんとの関係性を築いていると、『実は・・・』と答えてくれると思います。
なので、常日頃からの関係性の築き方も、とても大事と言えるのです。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則