こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
ほとんどの人が、『リスク』や『リターン』のことを考えながら行動しています。
しかし、何となく考えていることが多いのです。
『リスク』や『リターン』には、色々な解釈がありますが、その一例を示します。
◆『リスク』とは、『まだ起こっていない危険や問題のこと』
◆『リターン』とは、『これから期待される利益や良い結果のこと』
もう少し具体的な例で言いますね。
例えば、1000万円の借入金をする場合
◆(A)『借入金の返済というリスクと、新しい利益を生み出すリターンのことを、考えながら行動する』
◆(B)『借入金の返済のリスクは気になるが、それよりも、資金繰りの心配がなくなるリターンを、考えながら行動する』
このように人によって、1000万円の借入金は同じでも、その『リスク』や『リターン』の捉え方が違うのです。
そして、(B)のように、『リスク』を何となく考えている人が、大きなリスクを背負うことになるでしょう。
では、(B)の人は、どうしてこうなるのでしょうか?
それは、『リスク』が、『まだ起こっていない危険や問題』だからです。
例えば、(B)の人が今感じている問題は、『資金繰りが上手く行ってないこと』になります。
この問題は、『すでに起こっている問題』なので、とてもリアルなのです。
だから、『リスク』は何となく気になるものの、『1000万円の借入金』の行動をしてしまいます。
その後、『借入金の返済』が始まると、初めてこれが、『すでに起こっている問題』になるのです。
この時、『どうやって返済しようか?』と、大きなリスクを背負ったことに気付きます。
しかし、それでは手遅れなのです。
それでも、まだ起きていないので、『その時考えればいい』と安易に考えてしまいます。
一方、(A)の人は、どのように考えているのでしょうか?
一番のポイントは、『1000万円の使い方』です。
(B)の人は、『資金繰り』に使おうとしています。
ところが、(A)の人は、『新しい利益を生み出す』ために使おうとしているのです。
このように書くと、(A)の人は、『資金繰りの心配がないから、そのように考えられるのだ』と思われます。
しかし、現実はそうでなく、『例え、資金繰りの心配があったとしても、新しい利益を生み出そうと考えているので、その利益で資金繰りの心配をしなくても良くなる』のです。
このように考えると、『リアルな危機感を、どの時点で感じるのか?』がとても大切になります。
(B)の人は、『現状の資金繰り』にリアルな危機感を感じて、(A)の人は、『将来の新しい利益』にリアルな危機感を感じているのです。
『現状にリアルな危機感を感じること』は、比較的簡単ですが、『将来にリアルな危機感を感じること』は、ちょっと訓練がいるかもしれませんね。
それでも慣れれば、そんなに難しいことではないので、すぐにできるようになるでしょう。
ちょっと意識してみて下さいね。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則