こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
販促物の冒頭で『質問文』からスタートしていることが多くあります。
これは、質問されると、反射的に、その答えを考えてしまう心理を期待しているからです。
『質問文』を読んでしまうと、答えを探し出そうとするので、販促物を最後まで読んでしまいます。
そんな『質問文』のパターンは、次のような感じです。
例えば、
◆(A)『どんな現状ですか?』
◆(B)『こんな現状ですか?』
◆(C)『こんな現状ではありませんか?』
ちょっと見ると、どれも同じように感じますが、意外と違いがあります。
例えば、(A)と(B)(C)の違いは、(A)の質問は、『オープンクエスチョン』と言って、何でも自由に答えられる質問です。
何でも自由に答えられるので、『自分の現状を詳しく説明すること』ができます。
しかし、いざ言葉で説明しようとすると、なかなか答えにくい一面があるのです。
一方の(B)(C)の質問は、『クローズドクエスチョン』と言って、『イエス』か『ノー』かで答えられます。
そのため、答えることがとても簡単です。
だから、販促物の冒頭で使う場合は、(B)(C)の質問が多くなります。
なぜなら、最初に『イエス』か『ノー』かをハッキリさせておくと、関心があるお客さんを選べるからです。
関心があるお客さんを選ぶことができたら、こちらからのメッセージが届きやすく、売りたい商品につなげやすくなります。
ところが、(A)の質問で、『どんな現状なのか、教えて下さい』としてしまうと、例え、関心があるお客さんでも、『ちょっと面倒くさいな』と感じて、行動してもらえません。
なので、販促物の冒頭では、(B)(C)の質問が多くなるのです。
では、(B)の質問と(C)の質問との違いは、何でしょうか?
あえて難しく言うと、(B)は『肯定疑問文』で、(C)は『否定疑問文』と言います。
しかし、これでは全く分かりませんので、説明が必要ですね。
(B)の『こんな現状ですか?』と、肯定的に質問していますが、実は、『こんな現状』に自信がない聞き方になります。
だから、ちょっと断定して、上から目線でストレートに聞いているのです。
ストレートに言って欲しいお客さんには、これでもいいでしょう。
しかし、上から目線が気になるお客さんには、気分を害されることがあります。
そこで、(C)の『こんな現状ではありませんか?』と、否定的に質問するのです。
これは、『こんな現状』に自信がある聞き方になります。
今まで多くの事例を経験した結果、『恐らく、こんな現状が考えられる』と判断した時の確認の質問です。
このように聞かれたお客さんは、もしもその通りなら、『そうそう、そうなのよ!』と共感してもらえます。
また、もしもその通りでなかったとしても、『はい、そうではありません』となるのです。
そうすると、どちらの答えであったとしても、『そうそう』とか、『はい』とかの答えになります。
これが、『否定疑問文』の良いところです。
どうでしょうか?
質問しやすいと思いません?
質問しやすいと思ったら、次に販促物を考える時に、一度試してみてみませんか?
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則