こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
売上げの捉え方は、人によって様々です。
そこで、ちょっと変わった捉え方を考えてみたいと思います。
まずは、次のような捉え方です。
◆『売上げは、債務である』
ここで言う『債務』とは、『特定の人に、一定の行為をする義務のこと』になります。
例えば、銀行から借入金があるお店の債務とは、
銀行に対して、定められた返済条件で、金利や元金を返済する義務のことです。
例えば、売上げが上がった時のお店の債務とは、
商品やサービスを買われたお客さんに対して、お客さんに喜ばれる価値を与える義務のことになります。
このことから、『売上げは、債務である』と言えるのではないでしょうか?
また、『一番の債務は、借金とも言える』ので、次のように捉えることができます。
それは、
◆『売上げは、借金とも言える』
どうでしょうか?
ちょっと飛躍し過ぎるかもしれませんが、考えられないことはないはずです。
このことを理解せず、『ただ単に売上げだけを上げよう』とすると、資金が回らなくなります。
これは、『売上げ=借金』と仮定すると、当然と言えば当然ですね。
これをサービス業の場合で見ると良く分かります。
全体の流れは、次のような感じです。
(1)『お客さんに、サービスを売る』
(2)『この時点で、売上げになる』
(3)『それと同時に、債務が発生する』
(4)『その後、債務という義務を果たす』
少し説明すると、(1)と(2)で『売上げ』になります。
しかし、この時点では、お客さんからお金を頂いた状態なので、まだ何もしていません。
だから、当然、『債務』が発生します。
それが、(3)です。
これは、『これから、お客さんに、一定の行為をする義務』が発生します。
(4)の『債務という義務を果たす』ためには、『スタッフさんの時間』や『材料などのコスト』が掛かるのです。
ここでの『スタッフさんの時間』も、人件費という『コスト』になります。
つまり、『売上げ』を上げた後は、必ず『コスト』が掛かって来るのです。
これらの流れを、『借金の視点』で見れば、『売上げは、お客さんからの借金』と言えるのではないでしょうか?
だから、『定められた条件で、返済する借金』というイメージになるのです。
この時のポイントは、『借金の返済後に、大きな利益が残るのか?』でしょう。
利益が残るのなら、もっともっと『借金』を増やせば上手く行きますし、利益が出ないのなら、その『借金』は止めなければいけません。
この上の文章の『借金』の部分を、『売上げ』に置き換えてみても、同じことが言えるでしょう。
だから、『ただ単に売上げを上げよう』としてはいけないのです。
◆『売上げは、借金とも言える』
『売上げ』を、一度この視点を考えてみて下さい。
きっと違う視点の捉え方になるのではないでしょうか?
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則