こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
お客さんは、商品そのものが欲しくて買っているわけではありません。
なぜなら、商品はあくまで手段の1つだからです。
手段には、必ず目的があります。
この場合の目的とは、『お客さんが望む結果を手に入れるため』です。
つまり、『望む結果のために、その手段として商品を買っている』だけになります。
このことを理解していないスタッフさんは、なかなか商品が売れません。
そんなスタッフさんは、現場の様子をちょっと見ていれば、すぐに分かります。
例えば、お客さんが来店されて、イキナリ『商品の特徴』を説明しているスタッフさんなどは、その典型です。
しかし、ある意味仕方がないのかもしれませんね。
なぜなら、このスタッフさんは、『お客さんは望む結果のために、その手段として商品を買っている』ことを理解されていないからです。
だから、
◆『今、お客さんがどんな状況なのか?』
◆『何ができなくて、困っているのか?』
◆『お客さんの望む結果は、何なのか?』
などを、聞こうともしないのです。
それよりも、とにかく、『商品の特徴』を言いたくてたまりません。
だから、極端な話、お客さんは誰でもいいのです。
これでは、売り込み感がとのすごく強くなります。
これを防ぐには、少なくても、『お客さんが望む結果は、何なのか?』をハッキリさせるのです。
もっと言えば、ハッキリさせるだけでなく、『自社の商品を使うことで、お客さんが望む結果が手に入ると、約束すること』が必要です。
しかし、この『約束』ができないスタッフさんも多くいます。
なぜなら、変に『約束』してしまうと、自分自身が『責任』を取らなければいけないからです。
スタッフさんの立場だと、そのように考えても不思議ではありませんが、お客さんの立場で考えると、どうでしょうか?
望む結果が手に入るかどうかを、約束されない商品を買いたいと思うでしょうか?
どうでしょうか?
恐らく、不安な感情が邪魔をして、購入を先送りするのではないでしょうか?
不安な感情により、『ちょっと考えます』とか、『一度検討します』とか、『家族と相談してみます』などと言われてしまいます。
『約束』は、すでに『望む結果を手に入れた経験があるお客さん』には、必要ありません。
しかし、『まだ経験していないお客さん』には、『結果を約束すること』で、安心感や信頼感を持ってもらえるのです。
それでも、約束できない場合は、『こんな場合はできません』と、『条件付きの約束』から始めましょう。
最初は、色々と条件を付けないと約束できないでしょうが、そのうち、条件が少なくても約束ができるようになるはずです。
お客さんに購入を先送りされたくなかったら、どうか『約束』を忘れないで下さいね。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則