こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
お店でお客さんを分ける場合、次のように分けられることが多いです。
◆(1)『新規客』
◆(2)『既存客』
◆(3)『休眠客』
これら分け方は、市場が大きくなっている時に、よく見られます。
しかし、今は、市場が大きくなっている業種は少ないです。
それでも、この分け方は、今でも多く使われています。
では、市場が大きくなっていない時は、どのような分け方がいいのでしょうか?
色々ありますが、一番分かりやすいやり方は、次のような分け方がおすすめです。
それは、
◆(A)『リピートするお客さん』
◆(B)『リピートしないお客さん』
この2つで分けるのです。
これを、(1)の『新規客』から見てみますね。
例えば、市場が大きくなっていない時に、『新規客』を集めようとしてもなかなか来てもらえません。
例え、来てもらえたとしても、それは、『他のお店で、リピートしないお客さん』であることが多いです。
そのため、『新規客』で来てもらえたとしても、また他のお店に行くようになります。
そして他のお店で、また『新規客』になるのです。
この現象は、『新規客限定の割引き特典』が、まだまだ根強いことによります。
(2)の『既存客』においても、同じことが言えるでしょう。
お店は、『既存客』のリピートを促すために、既存客のお客さんにも、『割引き特典』を付けます。
そうすると、『割引き特典』があるお店を優先して、『使い分け』が始まるのです。
それでも、1年間を通して考えると、回数は少なくなりますが、リピートしてもらえていると考えられます。
しかし、この『使い分けているお客さん』が、『本当のリピートするお客さん』と言えるでしょうか?
ここに、ものすごく疑問を感じます。
(3)の『休眠客』の中には、『以前には、リピートしていたお客さん』がいることでしょう。
このお客さんは、『何かの理由でリピートしなくなった』のです。
しかし、ほとんどのお店では、かなりの時間が経たない限り、このお客さんが来なくなったことすら気付きません。
そのため、『どんな理由で、リピートしなくなったのか?』など、全く分からないのです。
年に1~2回の来店のお客さんが、来なくなったのなら影響は少ないでしょうが、年に10回以上のリピートしていたお客さんが、来なくなったら大きな痛手になります。
これは、『新規客』、『既存客』、『休眠客』という分け方に、問題があるのです。
そうではなく、もっとシンプルに、『リピートするお客さん』、『リピートしないお客さん』に分けることをおすすめします。
そうすると、例えば、新規客を集める場合でも、『リピートする新規客を集めよう!』と、意識が変わるのです。
しかし、このように書くと、『それは理想だが、そんなに上手く行かない』と、すぐにあきらめてしまいます。
それでも、『リピートするお客さんを集めよう!』と強く意識しない限り、お客さんに対して投げ掛ける言葉やお客さんに対して接する態度、お客さんにとって居心地の良い空間作りなどできないのです。
『リピートするお客さんに来てもらいたい』と思ったら、まずは、『リピートするお客さんを集めよう!』と強く意識することから、始めて下さいね。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則