消費税導入後30数年、その間にあった2つの転換点とは? | 値上げができる店頭看板の考え方・作り方

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もしも今、みんながサボらず一生懸命働いていて、利益が思うように出ていないのだったとしたら、それは単価が低いのが原因です。思い切って値上げをしてみませんか? 店頭看板を通じて、値上げができる考え方をお教えします。

こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。

 

 

 

消費税が導入されてから、30数年が経とうとしています。

 

その間、消費税の変化が、どのようにビジネスに影響したのでしょうか?

 

それを探ってみたいと思います。

 

 

 

消費税の変化は、大まかに次の通りです。

 

◆(1)1989年4月1日 『消費税3%導入』外税・税抜き表示

 

◆(2)1997年4月1日 『消費税が5%に』外税・税抜き表示

 

◆(3)2004年4月1日 『消費税5%変わらず』内税・税込表示の義務化

 

◆(4)2014年4月1日 『消費税が8%に』外税・税抜き表示

 

◆(5)2019年10月1日『消費税が10%に(一部8%)』外税・税抜き表示

 

 

 

ざっとこんな感じなのですが、思い出してもらえたでしょうか?

 

 

 

この中で、『2つの転換点』があったと、私は考えています。

 

 

 

それは、(2)の『消費税が5%に』なった時と、(4)の『消費税が8%に』なった時です。

 

まずは、順追って簡単に説明して行きますね。

 

 

 

(1)の時期は、バブル真っ只中です。

 

しかし、その後バブルが崩壊して、30年も続くデフレ時代が始まります。

 

消費税は、このデフレの一因になっているかもしれませんね。

 

 

 

(2)の時期は、デフレの中です。

 

デフレの中での『消費税の5%』は、消費に大打撃を与えました。

 

これに対応してそれぞれのお店では、『割引きによる集客』を多用したのです。

 

そのため、『集客マーケティングと投入コスト』を強化しました。

 

 

これが、1つ目の転換点です。

 

つまり、多額のコストを掛けて『薄利多売の割引き集客』へ突き進むことになりました。

 

 

 

(3)の時期は、割引き等が多用されたため、お客さんが『最終価格がいくらになるのか?』分からなくなり、『総額表示』が望まれたことを根拠に義務化したのです。

 

 

 

(4)の時期は、アベノミクス等の影響もあり、株価や不動産への投資が活発になって来ました。

 

それに応じて、消費税の増税も考えられたのです。

 

増税は多段階で、まず『8%』、次に『10%』、その後『1%づつ』増やして行く計画になっていました。

 

そのため、価格表示の変更を減らすお店への配慮から、『税込から税抜きへ』という特別措置を設けたのです。

 

この時、多くのお店では、『今までの税込価格』はそのままで、『税抜き表示』と変更しました。

 

これは、8%の消費税をそのまま上乗せする、ちゃっかり『便乗値上げ』をしたのです。

 

しかし、不思議なことにお客さんは、素直に受け入れてしまいました。

 

 

今まで、割引きしなければ集客できないと思っていたお店は、『値上げをしても受け入れてもらえるのだ』と、気付いたのです。

 

 

ここが、2つ目の転換点になります。

 

 

ここに気付いたお店が強化したのが、『商品コンテンツと接客セールス』です。

 

ここを強化できれば、これからも『値上げ』できると考えました。

 

つまり、『薄利多売の割引き集客』から、『高単価での継続販売』の変革が始まったのです。

 

しかし、悲しいかなここに気付けたお店は、そんなに多くはありません。

 

 

 

(5)の時期は、そんな中での『消費税の10%(一部8%)』が起こりました。

 

このことが、また消費を減速させる要因になったのです。

 

この後、『コロナ禍』が起こり、もっともっと厳しい状態になっています。

 

 

 

どうでしょうか?

 

 

 

ざっと消費税の変化とビジネスの影響を見て来ましたが、2つの転換点を気付いていたでしょうか?

 

1つ目は、分かりやすいですが、2つ目は、なかなか分かりにくいですね。

 

 

しかし、時代の潮目は、2つの転換点で確実に変わっています。

 

 

『もしも、今、何か違うな?』と思ったら一度、このような視点で現状を見直してみて下さい。

 

 きっと、打開策が見えてくるはずですよ!

 

 

 

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

伊丹芳則