こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
お客さんに『売る商品』を考える場合、いきなり『売るための商品』を考えていませんか?
これは、
◆『商品を作ってから、お客さんを探す』やり方です。
このやり方で、『売れる商品』を作れることもありますが、多くは失敗します。
なぜなら、すでに作った商品に、お客さんを合わせようとするから売れないのです。
そうではなく、その逆で、
◆『お客さんを探してから、商品を作る』やり方は、成功しやすくなります。
なぜなら、すでにお客さんがハッキリしているので、そのお客さんに商品を合わせれば売れるからです。
では、どのようにしてそのお客さんを探し、どのようにして商品を作ればいいのでしょうか?
その流れを、4つのステップで順番に説明します。
◆(1)『お客さんが困っているシーンを探す』
まず、ここからスタートします。
そのための質問は、
・『それは、どんな場面の出来事なのか?』
・『そこには、どんな問題があるのか?』
・『その問題の問題点は何か?』など
困っているシーンから、『現状』→『問題』→『問題点』とより詳しく探して行きます。
◆(2)『お客さんをハッキリさせる』
次に、(1)で困っているシーンから詳しい事柄を探し出した後は、
・『そのシーンにいるお客さんは、どんな人なのか?』
・『今、何に悩んでいるのか?』
・『なぜ、悩みを解消する行動ができないのか?』などを、ハッキリさせて行きます。
この時、(1)の困っているシーンは同じでも、次のような2つのタイプのお客さんがいるのです。
(A)『体験重視のお客さんタイプ』
このお客さんは、『多少お金がかかっても、納得の体験ができるのなら解決したい』と考えます。
(B)『価格重視のお客さんタイプ』
このお客さんは、『お金をあまりかけたくないので、できれば安く済ませたい』と考えるタイプです。
この(B)のお客さんを選ぶのなら、(1)の困っているシーンを解決する商品を作って、安く売れば買ってもらえます。
しかし、(A)のお客さんを選ぶのなら、さらに2つのステップが必要です。
◆(3)『お客案が喜んでいるシーンを想像する』
このステップを考えないと、お客さんが納得する体験を提供できません。
つまり、お客さんが望むあるべき姿をイメージさせて、共有できるようにして、その実現のサポートをしてあげる必要があるのです。
そのためには、
・『どんな体験をしたら、どんな喜びが待っているのか?』
・『そのためには、現実とあるべき姿との間に、どんなギャップがあるのか?』
・『そのギャップを埋めるために、今できないことは何か?』などから、このお客さんに最適な商品を作るのです。
◆(4)『商品をハッキリさせる』
ここでは、(3)の『ギャップを埋めるには、どんな商品が必要なのか?』を考えます。
この場合の『商品』は、『サービス』との組み合わせが有効です。
その組み合わせから、『困っているシーンのお客さんに、どんな嬉しい体験ができるのか?』を考えながら商品を作って行きます。
大切なことは、『商品を作ってから、お客さんを探す』のではなく、『お客さんを探してから、商品を作る』ことです。
ここを間違えると、自分自身でどんなに良いと思う商品でも、売れない商品を作ってしまうことになりますよ!
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則