こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
◆『ありがとうの反対の言葉は、当たり前』と言われます。
この言葉は、マザーテレサが言われたそうです。
『有り難いこと』をされると感謝の気持ちを持って、『ありがとう』となります。
しかし、同じことをされても、『当たり前』と思う人は、感謝の気持ちを持たないので、『ありがとう』にはならないからです。
この人は、悲しいかな、『有り難いこと』をされているとは思いません。
このように書くと、『当たり前』と思うことは、いけないことのように感じます。
しかし、実際はそうではありません。
『当たり前』は、『有り難いこと』の積み重ねなんです。
例えば、『期待していること』を期待通りにされると、最初は感動して、『有り難いこと』をされたと感じます。
しかし、2回目や3回目になると、『期待していること』を期待通り行われるので、最初ほどの感動はありません。
そうなると、『当たり前』になるのです。
これは、『期待していること』の『期待を超える驚き』であったとしても、2回目や3回目になると、『当たり前』になってしまいます。
これらは、繰り返しによる慣れから来るものです。
冒頭と違うところは、『当たり前』と思っていても、『有り難いこと』をしてもらっていると感じています。
なぜなら、『期待通りのこと』や『期待以上のこと』をしてもらっていると感じているからです。
ところが、『有り難いこと』と感じている『当たり前』でも、しばらく続いて来ると、何か物足りなさを感じる人が出て来ます。
そうすると、『新しい有り難いこと』や『新しい驚き』を求めてしまうのです。
そのため、『新しい有り難いこと』や『新しい驚き』を生み出す必要があります。
それでもまた、それらが『新しい当たり前』になってしまうのです。
しかし、それでもかまいません。
なぜなら、『新しい当たり前』が積み上がって行くことが、『有り難いこと』の積み重ねになるからです。
この話を、『スタッフさんの給料』で考えると、ちょっと違った形になります。
あなたが、初めて働いてもらった給料のことを、ちょっと思い出してみて下さい。
今よりも額は少なかったかもしれませんが、おそらく何とも言えない達成感や充実感がなかったでしょうか?
それが、半年も経つと、給料をもらって『当たり前』になります。
なぜなら、自分の貴重な時間を使って働いたのだから、給料をもらう権利があると考えるからです。
確かに、貴重な時間を拘束されて働いたのですから、その権利はあります。
しかし、見逃してはならないのが、その時間で体験した事柄です。
・『どんな体験をしたのか?』
・『どんな結果を手に入れたのか?』
こちらの方が、最初は給料よりも大切なことであったと思います。
なぜなら、『有り難い体験』や『有り難い結果を手に入れた』ことがその後の成長につながるからです。
例えそれが、失敗であったとしても、成功であったとしても、大きな違いはありません。
その失敗による体験や結果が、『有り難いこと』のはずです。
このように考えると、『当たり前』と感じることは、全て『有り難いこと』になります。
『当たり前のことを、当たり前』と考えるか、『当たり前のことを、有難いこと』と考えるかの違いだけです。
ではあなたのお店で、『当たり前』と思うことは何でしょうか?
それを、どのように考えていますか?
一度チェックしてみて下さいね。
きっと新しい発見があるはずですよ!
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則