こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
販促物の作り手が何を意識しているのかは、とても大切です。
それは、『販促物の主語は何か?』を見ればよく分かります。
大きく分けると、次の2つです。
◆(A)主語が、『商品』の場合
◆(B)主語が、『お客さん』の場合
(A)の主語が『商品』の場合で、一番多いのが、『商品名+価格』です。
これは、俗に、『プライスカード』とも言われています。
例えば、『この商品名が、今なら、いくらです』
少し詳しく伝えている場合でも、
例えば、『この商品名は、こんな特徴があって、こんな時に、とても役に立つ商品です』
こんな感じで、どれも、お店の立場に立った販促物になっています。
なぜ、主語が、『商品』になるのかというと、それは、自店の商品のこだわりをお知らせしたいことと、より多くのお客さんにお知らせしたいからです。
そのため、『商品名とその特徴』や『割引き特典と価格』を優先したお知らせのやり方になるのだと思います。
このお知らせに一番反応するお客さんは、やっぱり、『割引き特典と価格』に敏感なお客さんです。
極端な話、基本の特徴がある商品なら、『安い価格』を優先します。
例えば、『100円ショップ』などにある商品がその代表です。
実際に、『100円ショップ』に行くと、『これが100円でできるの?』と思うような商品があります。
これは、違う言い方で言えば、『いくらの数量を売れば、100円で採算が合うのか?』です。
このように、(A)の主語が、『商品』で売れるものは、『大量に売れる』という条件が付いて、始めて成立するものではないでしょうか?
一方、(B)の主語が、『お客さん』の場合は、どうでしょうか?
お客さんの立場に立った販促物になっていることが多いです。
例えば、
・『こんなことで悩んでいるお客さんはいませんか?』
・『こんな悩みがあるけれど、どうしようもないと諦めているあなたに』
と、ある特定の悩みに絞り込んで、投げ掛けることから始めています。
そうすると、そのことに本当に悩んでいるお客さんだけに響くのです。
その悩みが深ければ深いほど、多少価格は高くても、悩みが解決するのなら欲しいと思います。
先程の(A)の主語が、『商品』の場合のように、『大量に売れる』ものではありません。
しかし、(B)の場合は、別に大量に売れなくてもいいと考えます。
なぜなら、目的が、『悩んでいるお客さんのお役に立つため』だからです。
このように、主語を『お客さん』するだけで、『悩みの解決』という必要性がハッキリするので、この後の商品につなげやすくなります。
もちろん、いくら欲しいと思ってもらったからといって、すぐに買ってもらえるとは限りません。
そんな時は、『今なら、いくらですよ!』と、『割引き特典』で、背中を押すこともできるのです。
これは、最初から、『大量に売る』ための割引きではなく、『お客さんのお役に立つための行動の促し』につなげています。
なぜなら、お客さんが行動しないと、何も変わらないからです。
あなたが販促物を作る時の『主語』は、何でしょうか?
もしも、『商品』であったとしたら、一度、『お客さん』に変えてみて下さい。
いつもと違った内容になると思いますよ!
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則