こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
お客さんに商品やサービスを売る時に、必ずあるのが、『お客さんの断り文句』です。
多くのスタッフさんは、断られるとガッカリします。
そして、ガッカリしたスタッフさんは、次に商品やサービスを売るのを躊躇するのです。
しかし、『お客さんの断り文句』は、実は、良いことのきっかけになります。
なぜなら、断り文句を聞くことで、『お客さんの解釈』を変えてあげることができるからです。
『お客さんの解釈』とは、『お客さんの当たり前』になります。
実は、『お客さんの断り文句』で、お客さんが当たり前と思っていることが分かるのです。
お客さんが当たり前と思っていることが、正解だったら、とても良いことになります。
しかし、もしもそれが、間違っていて勘違いだったら、解釈を変えてあげる必要があるのです。
だから、『お客さんが、どんな断り文句を言ったのか?』が、とても重要になります。
ここを意識できるようになると、もう『お客さんの断り文句』で、ガッカリすることはなくなるでしょう。
どうでしょうか?
では、どのようにして、『お客さんの断り文句』から、『お客さんの解釈』を変えて行くのでしょうか?
そのためには、次のポイントをハッキリさせないといけません。
<例えば>
◆『おすすめした商品やサービスを、断ったお客さんは、どんな断り文句を言ったのか?』
・『おすすめした商品やサービスは、何か?』
・『断ったお客さんは、どんな人か?』
・『どんな断り文句だったのか?』
・『そこには、どんな勘違いがあったのか?』(お客さんの当たり前)
・『しかし、実はそうではなく、どうなのか?』(プロの当たり前)
これらをハッキリさせることで、『お客さんの解釈』を変えて、それに必要な商品やサービスを売ることができるのです。
<例えば>クリーニング店さんの事例の場合
・おすすめの商品:『汗抜き水洗い』
・どんなお客さん:『冬服を仕舞われるお客さん』
・どんな断り文句:『そんなに汗をかいていないので、結構です』
・お客さんの解釈:『少しくらいなら大丈夫』
・プロの解釈:『そのままにしておくと、汗が腐って黄バミになる』
これらを踏まえて、実際のやり取りは、次のような感じです。
◆スタッフさん『もうすぐ春ですね』
→お客さん『そうね、寒さが少し和らいだようね』
◆スタッフさん『こちらは、仕舞われますか?』
→お客さん『そうなの、もう着ることもないから持ってきたの』
◆スタッフさん『そうなんですね、ちなみに、汗は気になりますか?』
→お客さん『そんなに、汗はかいていないわ』
◆スタッフさん『そうですね、冬服は汗のイメージないですよね』
◆スタッフさん『でも最近は、暖房などで冬服でも結構かかれています』
◆スタッフさん『そのままだと、汗が腐って黄バミになるようですよ』
◆スタッフさん『汗抜きされなくて大丈夫ですか?』
→お客さん『そうなの、じゃあ、汗抜きしておこうかしら』
いつもこんな感じの流れになるとは限りません。
『やっぱり、結構です』と断られることも多いでしょう。
しかし、『お客さんの解釈』が、当たり前でなかったことを伝えることはできるのです。
そうしたら、『また、いつでもお声掛け下さいね』と伝えておけば、気になった時に、選んでもらいやすくなるでしょう。
『お客さんの断り文句』は、お店の貴重な財産です。
どんどん断られて下さいね。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則