こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
売上げを上げるために、『割引きセール』を行う社長さんが多くいます。
『1円でも安く買いたい』と思っているお客さんを集めているお店では、『割引き効果』があるでしょう。
しかし、『割引き』で集めたお客さんに、また来てもらうには、また『割引きセール』が必要になります。
そして、もしも前回の割引率で、お客さんが前回より来なければ、さらに割引率を高めることでしょう。
これを続けていくと、割引きに反応するお客さんがどんどん集まって来ます。
すると、もう『割引きセール』から抜け出すことができないのです。
昔は、それでも採算が取れていました。
しかし、今は、割引率を高めても客数があまり増えないので、割引けば割引くほど利益が圧迫して、採算が取れなくなっているのです。
しかし、それが分かっていても、『割引きセール』を止めることはできません。
なぜなら、今、『割引きセール』を止めてしまうと、お客さんが来なくなる恐怖がつきまとうからです。
これは、割引率を少なくする時でも同じ感情になります。
そのため、ある一定の『割引きセール』をやり続けるはめになるのです。
変な話、『割引率を少なくするくらいなら、いっそのこと値上げした方がいい』と思う社長さんも少なくありません。
この考え方は、お店側重視の一方的な考えで、お客さんにとっては実に失礼な話です。
では、お客さん側の視点で見ると、どうなるでしょうか?
それは、お客さんに『価格のこと』を聞いてみるとすぐに分かります。
その答えとして、例えば、
・『確かに、価格は高いよりも安い方がいいと思うけど、別に価格を最優先している訳ではありません』
・『それよりも、自分の生活スタイルに合って、自分が価値を感じるものであれば、お金は使いたいです』
などと、考えているお客さんが、多くいるのです。
今、あなたが集めているお客さんは、どんな人でしょうか?
例えば、
◆(A)『どんなものでも、1円でも安く買いたいお客さん』
◆(B)『納得するものであれば、高くても買いたいお客さん』
どちらででしょうか?
もしも、(A)ならば、お客さんを集めるために、『割引きセール』をやり続けなければいけません。
しかし、(B)ならば、今すぐ、『そのお客さんが、どんなことで困っていて、どんなことが上手く行っていないのか?』をしっかりリサーチして、『この商品サービスを使うことで、こんな価値が手に入る』と伝えて決断を促すのです。
この一連の流れを納得してもらえれば、『割引き』しなくても買ってもらえます。
もちろん、なかなか決断してもらえないお客さんもいることでしょう。
そんな時は、お客さんが決断しやすいように、『割引き』をするのです。
この場合の『割引き』の役割は、(A)は『お客さんを集めるため』のものでしたが、(B)は『お客さんに決断を促すため』のものになります。
同じように見える『割引き』でも、使い方で結果は全く違うものになるのです。
一度チェックしてみて下さいね。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則