こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
歯科医院さんの『鏡を見て歯磨き』に関する気になる店頭看板の事例を紹介します。
【現状の店頭看板の書き方】
【コメント】
歯科医院さんが、毎月、気になるテーマで店頭看板を書いています。
6月のテーマは、『鏡を見て歯磨き』をおすすめしている店頭看板です。
これは、意外と『鏡を見て歯磨き』をしているお客さんが、少ないことを意味します。
例えば、お化粧をする時は、鏡を見てすることが多いのですが、歯磨きの時は、見ていないようです。
では、『鏡を見て歯磨き』すると、何がいいのでしょうか?
それは、1本1本確認しながら歯磨きができるので、磨き残しがないことです。
この辺りを、ちょっとだけ付け加えたいと思います。
ちょっと変更すると、もっとよくなるポイントを、下の流れで説明していきます。
『>』が原文。
『→』が説明文。
『◆』が変更文。
【現状看板の文章】
>6月
>ジメジメとした日が多くなり
>梅雨の時季と感じるようになりました。
>6月といえば『虫歯予防デー』ですね。
>皆さんは虫歯にならないように
>何か心掛けていることはありますか?
>今回お伝えするのは、手鏡です。
>手鏡を使い歯を磨くことで
>磨き残しが減り、虫歯の予防
>に繋がります。
>手鏡を見て歯磨きしていない
>方は、使ってみて下さい。
>『店名』
→『治療』でなく『予防』のメッセージを伝える場合、『まず現状に疑問を持ってもらうこと』が大切になります。
→なぜなら、『治療』の時のように緊急性がないので、自分事になりにくいからです。
→そういう意味では、『予防』は伝えにくいメッセージになります。
→では、どのようにして、現状に疑問を持てもらえばいいのでしょうか?
→簡単なやり方は、『普段気を付けてやっているのに、なぜか上手く行かないこと』で問い掛けるのです。
→例えば、『毎日欠かさず歯磨きをしているのに、どうして歯垢が溜まってしまうのか? 疑問に思ったことはないですか?』とします。
→この問い掛けで、『あるある』と思ったお客さんは、その瞬間『予防』ではなくなるのです。
→この後、さらに詳しく伝えて、その対応策につなげていきます。
→最後は、もちろん、行動の促しです。
【変更後看板の文章】
<例えば>
◆店頭看板の事例(歯科医院の鏡を見て歯磨き)
『どうして歯垢が溜まってしまうの
か?』、疑問に思ったことはないで
すか?
実は、しっかり磨いているつもりで
も、結構磨き残しがあるからです。
特に、歯と歯の間や歯と歯茎、歯並
びが悪い所、奥歯などの磨きにくい
所は要注意!
そんな時は、鏡を見ながら磨くこと
をおすすめします。どのようにブラ
シの毛先が歯の面に当たっているの
か、1本1本確認しながらできるの
で磨き残しが減るのです。歯間ブラ
シと併用すると効果がアップ!
もしも歯垢が気になったら、今すぐ
お試し下さいね。
『店名』『電話番号』『営業時間』
【今回のポイント】
→『治療』でなく『予防』のメッセージを伝える場合、『まず現状に疑問を持ってもらうこと』が今回のポイントです。
→通常お客さんは、現状に問題がなければ、あえて行動しようとしません。
→しかし、現状に問題があると分かれば、行動しようとするのです。
→そのためには、現状に疑問を持ってもらう問い掛けが、どうしても必要になります。
→もちろん、全てのお客さんに、疑問を持ってもらうことはできません。
→それでも、一定数のお客さんには、このメッセージが届きます。
→だから、そのお客さんだけに絞って伝えることが大切なのです。
こんな感じです。
店頭看板の書き方はいろいろあります。
納得のいくところだけ、採用いただければありがたいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則