こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
先日のブログ記事、『 人は痛みと快楽で操れる! 』で、社長さんの話題を書きました。
今回は、スタッフさんの話題です。
スタッフさんに、新しいことをやってもらおうとすると、『やったことがないから、できません』と言われます。
確かに、新しいことだからやったことがないのは、当然です。
しかし、それが『できない理由』にはなりません。
では、なぜこのように答えてしまうのでしょうか?
それは、やったことがないことは、面倒くさくて、邪魔くさいからです。
つまり、『できません』の意味は、『やりたくありません』になります。
やりたくないのに、新しいことをやらされそうになるので、『痛み』を感じて、ついつい『できません』と答えてしまうのです。
これも、『痛みを避けて、快楽を得る』という本能に近い反応になります。
だから、『痛みを避けても、仕方がない』のですが、それでは困ることが多いのです。
では、どうすればいいのでしょうか?
◆ポイントは、『痛み』が、『今、どこにあるのか?』です。
こちらが一方的に、『スタッフさんに新しいことをやってもらおう』とすると、そのことが『痛み』になります。
だから、『痛み』を避けられるのです。
そうでなく、今感じている『痛み』を聞くことから始めます。
例えば、
◆店長さん『今、一番イヤなことは、何ですか?』と、スタッフさんに聞くことです。
例えば、この答えが、
◆スタッフさん『残業をさせられることが、一番イヤです』であったとします。
そうしたら、その一番イヤな残業をすることを止めてもらえばいいのです。
例えば、
◆店長さん『そんなに残業がイヤなら、残業をしなくてもいいよ!』と言ってあげます。
そうすると、
◆スタッフさん『えっ、本当にいいんですか?』と、驚かれるでしょう。
だから、
◆店長さん『もちろん、いいよ!』と念押しします。
その上で、
◆店長さん『もしも、残業しなくてもいいようにするには、何をすればいい?』と、考えてもらうといいでしょう。
このように言われても、スタッフさんは、そんなこと考えたこともないので、なかなか答えられません。
それでも、しばらく待っていると、
◆スタッフさん『今やっている仕事が、どれだけ時間がかかっているのか、まず記録してみます』
これを聞いて、
◆店長さん『なるほど、いいね、やってみて!』と背中を押して、その結果が出るまで待ちましょう。
そして、
◆店長さん『どうだった?』
◆スタッフさん『こんな感じで、時間を気にしながら、仕事をやていると、意外と早く済むことに気付きました』
◆スタッフさん『これからは、仕事をやる前に、どれくらいの時間がかかるのか決めてから、始めようと思います』
◆スタッフさん『そうすれば、残業をしなくても済みそうです』
こんなやり取りをしたとします。
しかし、いつもこのようなやり取りになるとは限りません。
それでも、『痛み』を解消するために、『何かを考えて、それを実行しよう』とするはずです。
このことで、『今、感じている痛み』が解消できるのなら、例え、『それが新しいことでも』できるようになります。
つまり、『新しいことをやるのが、痛みと感じているのか』、『今、感じている痛みを解消しようと、新しいことをやるのか』では、結果が全く違うのです。
これをしばらくやっていると自信がつくので、こちらがお願いする『やったことがない、新しいこと』も、取り組んでもらえるようになります。
一度お試しを!
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則