こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
お客さんは常に、何らかの悩みや望みを持ちながら生活しています。
しかし、そのほとんどの悩みや望みは、持ち続けたままでしょう。
なぜなら、それを解消するための行動を取らないからです。
理由は色々ありますが、一番の理由は、その悩みや望みを、『口に出して、他人に言わないから』だと考えます。
口に出して、他人に言わなければ、自分の頭の中で、ただそう思っていれば済むからラクなのです。
これは違う言い方をすると、他人に言わない今のままの方がラクだということになります。
だから、あえて口に出さないし、行動もしないのです。
どうでしょうか?
そんなお客さんが、あなたのお店に来たとしたら、あなたはどうしますか?
『今のままの方がラク』と思っているお客さんを、そのままにしておきますか?
それとも、そんなお客さんのお役に立つには、『どうすればいいのか?』、必死で考えますか?
考えるポイントは、2つです。
◆(1)『ほとんどのお客さんは、悩みや望みを持ち続けていること』
◆(2)『そのことを口に出して、他人に言わないこと』
この2つを意識して、『ここを解消してあげることで、お客さんのお役立ちができる』と考えるのです。
では、それをするためには、何をすればいいのでしょうか?
それをする一番簡単な方法は、『質問すること』です。
例えば、お客さんが悩みを持っていそうだと感じたら、
◆『どうされましたか?』
と、お客さんに質問して、話してもらうきっかけを作るのです。
質問されたほとんどのお客さんは、差支えのないところから、『実は・・・』と答えてくれます。
なぜなら、その悩みで、本当に困っているからです。
そして、『この人に話しても、大丈夫だ!』と感じてもらえれば、どんどん深い話までしてもらえます。
この時大切なのが、『お客さんが気持ちよく話せるような雰囲気を作ること』です。
そうすると、『どんなことで困っているのか?』を最後まで話してもらることでしょう。
このようにして、『お客さんが口に出して、あなたに悩みを言い切った』とします。
これは実は、『お客さんが口に出した自分の言葉に支配される』ことを意味するのです。
自分自身が一度発した言葉は、もう元には戻りません。
そのため、その言葉と一貫した行動を取らなければいけなくなります。
そうしないと、『あの人は言ったことと、やっていることが違う、信用できない人だ』と思われるのが恐いからです。
これを心理学の専門用語で、『一貫性の原理』と言います。
この原理が働くため、『口に出した自分の言葉に支配される』のです。
だから、お客さんに気持ち良く話ができる雰囲気を作った上で、『どうされましたか?』と、質問して言葉にしてもらうことがとても大切になります。
もしも、『別に何もありません』と、言葉にしてもらえなかったとしたら、それは、お客さんが気持ちよく話せる雰囲気ではなかったか、今はそれほど困ってなかったかのどちらかです。
しっかりと、気持ちよく話せる雰囲気を作って、質問を続けていると、そのうちいつか、『実は・・・』と答えてもらえるようになります。
ちょっとしたことですが、やるかやらないかで、結果は大きく変わって来るのです。
お客さんを本気で助けたいと思ったら、まずは、『どうされましたか?』の一言から始めて下さいね。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則