こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
集客を考える上で、気になる数字が客数でしょう。
客数とは、通常次のような式で表されます。
◆『客数=顧客数×来店回数』
この時、客数を増やすには、
◆(A)『顧客数を増やす』
◆(B)『来店回数を増やす』
『このどちらかを優先して増やすこと』を考えるのです。
『お客さんの量』を優先する場合は、(A)の『顧客数を増やす』を選ぶでしょう。
このやり方は、大切にするお客さんをハッキリ決めずに、誰でもいいので、とにかくお店に一度来てもらおうとします。
お金はかかりますが、一気に沢山のお客さんを集めることができるのです。
<例えば>
ポスティングビラを、『1万枚配り、通常の30%引き』でお客さんを集めたとします。
『このビラの反応率が0.3%だったとしても、30人の新しいお客さんを集めること』ができるのです。
これを繰り返し行えば、沢山のお客さんを集めることができます。
この時にかかるお金は、
(1)『販売促進コスト』
(2)『割り引きコスト』
(3)『人件費コスト』になります。
しかし、どれだけお金がかかっても、ベースとなる顧客数が少ない場合は、必要なやり方です。
一方、『お客さんの質』を優先する場合は、(B)の『来店回数を増やす』を選ぶでしょう。
このやり方は、大切にするお客さんをハッキリと決めて、そのお客さんから喜ばれる価値をタイミング良く伝えることで、年間の来店回数を増やそうとします。
このやり方は、お金はあまりかかりませんが、時間と手間がとてもかかるのです。
<例えば>
『年間来店回数5回のお客さんが、6回になった』とします。
この場合、『客数が20%アップした』と考えるのです。
ところが、このような結果が出るまでに、1年かかる計算になります。
しかも、お客さんへのメッセージは、タイミングに合わせてその都度繰り返し発信するので、手間もかかるのです。
しかし、(B)を選ぶと、時間や手間をかけなければ良い結果につながりません。
そのため、すぐに結果が出る(A)の『顧客数を増やすやり方』が、好まれて来ました。
ところが、人口減少や情報過多の時代になると、(A)のやり方は、『どこかのお店のお客さんを奪い合う』という意味合いが、一層強くなって来たのです。
そうなると、(B)の『来店回数を増やすお店』は、強くなって来ます。
なぜなら、時間と手間をかけて、大切にするお客さんとの関係性を強めているからです。
ここが強いと、今のお店で満足しています。
そのため、わざわざ他のお店で一から関係性を築こうとしないのです。
つまり、どんなに販促物で割引きしたとしても、興味を持ちません。
特に、ある程度のベースとなる顧客数があるお店はここに気付かないと、いつまでも、(A)の『顧客数を増やせば上手く行く』と、勘違いしてしまうのです。
ご注意を!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則