こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
国が違えば、文化も考え方も違って来ます。
お店における接客も日本とフランスでは、ちょっと違うようです。
例えば、日本の場合は、
◆お客さんがお店に入る時、スタッフさんが『いらっしゃいませ』と言って、出迎えます。
また、
◆お客さんがお店を出る時、スタッフさんが『ありがとうございました』と言って、お見送りするでしょう。
これは、『お客さんの立場』と、『スタッフさんの立場』を意識した応対をするからです。
つまり、お店において日本では、『お客さんの立場が上』で、『スタッフさんの立場が下』となっています。
一方、フランスの場合では、
◆お客さんがお店に入る時、お客さんが『ボンジュール(こんにちは)』と挨拶されてから、入られるのです。
また、
◆お客さんがお店を出る時、お客さんが『オ・ルヴォワール(さようなら)』と言って、帰られます。
これは、フランスでは、お客さんとスタッフさんとは、『同じ人間として、対等』という考え方によるものです。
お客さんから、『ボンジュール(こんにちは)』と言われたら、スタッフさんは、もちろん『ボンジュール』と応えます。
お店に入った時だけでなく、出会う全てのスタッフさんと、このような『挨拶』が交わされるのです。
そのため、フランスの接客は、『温かさを感じる』と言われます。
それだけ、フランスの人達は、『挨拶』を重視しているのです。
それに対して、日本は、スタッフさんから一方的に、『いらっしゃいませ』と投げ掛けるだけで、『こんにちは』と『挨拶』されるところが少ないと思います。
そのため、お客さんも『こんにちは』と『挨拶』できずに、黙ってお店に入られることが多いです。
それでも、たまに、『目を見て、ニッコリ笑顔で、〇〇さん、こんにちは』と『挨拶』されるスタッフさんもいます。
このような『温かみを感じる挨拶』をされると、お客さんは、そのスタッフさんに優しさや親しみを感じるのです。
フランスの『同じ人間として対等』という考え方は、反面、『スタッフさん同士で、べらべらおしゃべりしたり』、時には、『お客さんに堂々と文句を言ったり』するスタッフさんもいます。
例えば、先程のお客さんがお店に入る時、『お客さんの挨拶がない場合』、挨拶するように言われるのです。
これくらい、フランスでは、『挨拶は基本中の基本』になります。
極端な話、『挨拶ができないお客さんには、お店に来てもらわなくてもいい』と思っている感じです。
日本では、『お客さんに挨拶しろ』とは、なかなか言えません。
しかし、日本でも、しっかりと『挨拶』されるお客さんがいます。
それは、『上得意のお客さん』です。
『上得意のお客さん』は、お客さんから『挨拶』されます。
それだけでなく、わざわざ『お土産』を持参される時も多いです。
これは、『上得意のお客さん』ほど、最低限の立場の違いは守って欲しいと思っていますが、『同じ人間として対等に付き合いたい』と願っているからでしょう。
なぜなら、『このお店は、他ではできないことをやってもらえる』、そこに喜びを感じているから『対等』と思っているのです。
どうでしょうか?
単に、上下の立場で接するのでなく、『同じ人間として対等に接すること』で、本来の接客ができるのではないでしょうか?
その方が、そのお客さんと楽しい関係性が築かれるのではないでしょうか?
その第一歩が、『挨拶』です。
『目を見て、ニッコリ笑顔で、〇〇さん、こんにちは』と、言ってみて下さい。
きっと、お客さんも『こんちには』の『挨拶』が返ってくるはずですよ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則