こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
同じ商品でも、上手く売れない人と上手く売る人がいます。
違いは、『罪悪感』があるか、『優越感』があるかです。
上手く売れない人は、商品を売ることに『罪悪感』を感じています。
一方、上手く売る人は、商品を売ることに『罪悪感』は全くありません。
むしろ、商品が売れる喜びで、『優越感』さえ感じています。
では、どうして上手く売れない人は、『罪悪感』を感じてしまうのでしょうか?
それは、売れない人の話を聞いていれば、すぐに分かります。
ほとんどの内容が、『自分中心』、『商品中心』なのです。
『この商品は、どこが良くて、どんな違いがあって、どんなことをするのに優れているのか?』、とにかく自分が言いたいことをまくし立てます。
極端な話、目の前のお客さんが、誰であろうとかまいません。
とにかく、自分が話そうと思っていることを、これでもか、これでもかと話し続けるのです。
お客さん側からすると、その商品がどんなに良かったとしても、いきなり商品の話ばかりされると、いい加減うんざりします。
そして、無意識に表情が曇るのです。
それを見た売れない人は、自分の説明がまだ理解されていないと勘違いして、さらに詳しい商品の説明をしようとします。
そうすると、お客さんは不機嫌な顔になり、たまらず『もう結構です』と断るのです。
このようなことが、何回も続くと、売れない人は、『商品を売ると不機嫌な顔をされる』と思い込み、『罪悪感』を感じ始めます。
それでも、商品を売らなければいけないので、お客さんに断られても断られてもやり続けるので、『罪悪感』はどんどん大きく膨らむのです。
一方の上手く売る人は、どんなことをしているのでしょうか?
上手く売る人は、『お客さん中心』、『求める変化中心』に考えているので、いきなり商品の話しはしません。
まず、『お話をしてもよろしいですか?』と尋ねます。
OKを確認したら、『今、どんな事情なのか?』、雑談を交えながら察するのです。
その上で、『何に困っていて、どんなことがしたいお客さんなのか?』を、質問をし、相槌を打ち、共感しながら聞いて行きます。
この過程に時間をかけて、現在の事情がハッキリしたら、『おそらくこれが原因なので、これを解消すると、こんな結果になりますよ』と、こちらの提案を伝えることが多いです。
その上で、『この話に興味がありますか?』と尋ねて、興味がある人にだけ話を続けます。
興味のない人には、話はここまでです。
ここまでで、商品の話は一切していません。
単に、『現在の事情』の確認と、『問題の原因、解消後の結果』を提案しただけです。
まだ商品を売っていないので、お客さんは不機嫌な顔にならず、単なる雑談の延長となるでしょう。
そのため、上手く売る人は、『罪悪感』を感じないのです。
また、興味がある人は、こちらの話を真剣に聞いてもられるので、納得してもらいやすく、最後に商品の話をして、すんなり決めてもらえます。
なかなか決断できなくて、断られたとしても、それは、『まだ不安があるから、決断できない』のであって、こちらの提案を嫌がっているわけではないのです。
そのため、例え断られても『罪悪感』を感じません。
どうでしょうか?
このように、上手く売る人は、常に『お客さんが手に入れたい変化』に焦点を当てているから、それを提供できる喜びに、『優越感』を持つのです。
しかし、上手く売れない人は、常に『自分が売りたい商品』に焦点を当てているので、お客さんに嫌がられて、『罪悪感』を持ってしまいます。
『どこに焦点を当てるのか?』を、ちょっと変えるだけで、『罪悪感』でなく、『優越感』を持つことができるのです。
そうすると、『商品を売ること』が、とても楽しくなりますよ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則