こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
『オファー』という言葉をご存知でしょうか?
通常、『オファー』とは、『申し入れる』という意味合いがあります。
<例えば>
『〇〇さんに、仕事のオファーを入れる』
このように、相手に依頼の言葉を投げ掛ける時に使う場合が多いです。
ところが、商品を売る時に使う『オファー』は、ちょっと違って来ます。
<例えば>
『この商品を買ってもらうために、こんなオファーを付ける』
このような場合の『オファー』は、『売り手が買い手に条件を提示して、決断してもらうための特典』という意味合いが強いです。
つまり、商品を売る時の『オファー』は、単に依頼の投げ掛けでなく、『決断してもらうためのクロージング』として使われます。
その流れは、次の通りです。
◆(1)『コピーで、アプローチ』
現状の問題に共感して、現状に疑問を持たせて、新しい解釈に気付かせるコピーを作る
◆(2)『商品で、プレゼン』
良い結果につながる原因を見つけて、商品でその原因を解消できると伝える
◆(3)『オファーで、クロージング』
必要性を感じているお客さんに、納得するオファーの条件を示して決断してもらう
こんな感じになります。
この中で、お客さんに必要性を感じてもらうためには、『コピー』と『商品』は必須です。
しかし、決断して買ってもらうには、『オファー』の力が大きくものをいいます。
極端な話、『魅力的なオファーがあったから、商品を買った』と言われることもあるのです。
このように考えると、買う決断のためには、 『コピー』や『商品』よりも、『オファー』の方が重要になります。
どんなに『良いコピー』を考えたとしても、『興味を持ってくれる見込み客』を増やすだけです。
『実際に決断して買ってくれる購入客』までは行きません。
もちろん、『魅力的なオファーを使ったコピー』があれば、『コピー』だけで決断してもらえます。
しかし、そんな『コピー』を書くには、やっぱり『魅力的なオファー』が必要なのです。
では、『オファー』には、どんなものがあるのでしょうか?
よくある『オファー』は、次の通りです。
◆(A)『限定オファー』
・『期間限定オファー』
・『数量限定オファー』
・『対象限定オファー』など
◆(B)『お金に関するオファー』
・『お試し無料オファー』
・『割引きオファー』
・『返金保証オファー』
・『分割払いオファー』など
これらは、『手段の条件』に関するオファーになります。
大抵、(A)と(B)の組み合わせで提示されることが多いです。
しかし、このような『手段の条件』に関するオファーでは、どうしても『お金に重点を置いたオファー』になってしまいます。
これはこれで、強力なのですが、これは、『本来のオファー』ではありません。
『本来のオファー』は、『手段の条件』ではなく、『結果の約束』になります。
なぜなら、お客さんは、『手段』でなく、『結果』が欲しいからです。
そのため、『結果』を約束することが、『本来のオファー』になります。
<例えば>
『ライザップ』さんが使っている『オファー』は、短いですが強力です。
◆『人は変われる』
◆『結果にコミットする』
この『オファー』は、当然、お金が安くなるものではありません。
むしろ、望む結果を手に入れたいお客さんは、その結果が約束されると、高額なお金を出してでも決断するのです。
そのために、『約束』は、必ず守ります。
それが、『信用』に換わると、『本来のオファー』と言えるのです。
どうでしょうか?
では、あなたのお店では、お客さんに結果を約束しているでしょうか?
もしも、約束していないのであれば、恐らくそんなに高い料金はもらえていないのではないでしょうか?
ひょっとしたら、約束したくても不安が先によぎって、約束できないのかもしれませんね。
そんな時は、『お客さんの今の事情や状態を丁寧に、聞いてみて下さい』
お客さんの今の事情や状態が分かれば、『約束できること』が見えてくるはずです。
まずは、些細なことでもいいので、『約束できること』から約束してみて下さい。
それだけで、『立派なオファー』になるはずです。
『魅力的なオファー』は、『手段の条件』となる『お金に関るオファー』ではありません。
『結果の約束』が、『本来のオファー』です。
ちょっと意識するだけで、決断してもらいやすくなりますよ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則