こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。
不安を抱いているお客さんと、悩みで困っているお客さんとは、伝え方が違って来ます。
悩みで困っているお客さんには、今、目の前にある不便や不満で困っているのだから、シンプルにそれを解決できる方法を伝えればいいですね。
しかし、不安を抱えているお客さんは、今よりも将来に不安を持っていることが多いので、解決できる方法を伝える前にやることがあります。
それは、次の3つです。
◆(A)『ペーシング』
◆(B)『パターンの中段』
◆(C)『結果の裏付け』
ちょっと聞きなれない言葉だと思いますので、簡単に説明しますね。
(A)の『ペーシング』とは、コミュニケーションスキルの1つで、相手のしゃべり方の口調を合わせたり、相手の使っている言葉を繰り返したりして、相手の気持ちなどのペースを合わせることです。
相手に『ペーシング』することで、相手は『この人、自分のことを分かってくれそう』と、感じやすくなります。
例えば、相手に『今、何が起こっているのか?』を問い掛けて、今の状態を話してもらい、それに合わせて、うなづいたり、相づちを打ったりして共感することも、『ペーシング』と言えるでしょう。
このように、まず相手との距離感を縮めることが、『ペーシング』のとても大切な役割です。
次に、(B)の『パターンの中断』とは、相手の思い込みや無意識に繰り返している行動を、『パターン』と言い、それを一旦中断してもらうことを言います。
なぜなら、いつもと同じ『パターン』のままだと、相手に変化してもらうことができないからです。
なので、いつもの『パターン』は、『実は、勘違いである』と、気付かせてあげる必要があります。
例えば、相手に『なぜ、それが起こっているのか?』や、『それが起こっている原因は、実は〇〇である』と教えてあげることで、『パターンの中断』を行うのです。
このことで、すぐにパターンが中断する人もいれば、なかなかパターンが中断しない人も出てきます。
でも、それでいいのです。
パターンが中断した人にだけ、次に進んでもらいましょう。
逆に言えば、それだけ『パターン』は強力で、なかなか中断し辛いものです。
この(A)の『ペーシング』と、(B)の『パターンの中断』により、将来の不安は勘違いによるものであり、本当の原因は、『今、目の前にある』ことに気付くことができるようになります。
そうすると、原因の対策が取りやすくなるのです。
しかし、対策のために行動しなければいけないことは分かったが、今度は、その対策そのものに不安を抱くようになります。
そこで、(C)の『結果の裏付け』が必要になるのです。
例えば、相手に『今、この対策をするとどんな結果になるのか?』、『同じような人達が、どんな結果を手に入れているのか?』、『結果と裏付け』を納得行くまで伝えます。
ここまでして、やっと行動できるようになるのです。
だから、不安を抱えているお客さんには、いきなり解決策を伝えても受け入れてもらえません。
なぜなら、何もかもに不安を抱くので、確信が持てないと、安心できないからです。
なので、まず、安心感や信頼感を感じてもらうために、『ペーシング』や『パターンの中断』、『結果の裏付け』が、とても大切になります。
不安を抱いているお客さんに、商品を売る時は、このことを思い出して下さいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則