こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。
お店で働いていると、『きく』という場面が結構多くあります。
特に、接客時の『きく』という行為はとても大切です。
そんなことを、前回のブログ記事『 なぜ、お客さんへの聴き取りが大切なのか? 』で書きました。
この『きく』という言葉は、いろいろな漢字を当てはめることができます。
例えば、『聞く』、『聴く』、『訊く』、『利く』などなど、他にもあるのですが、この4つの種類があるとして、あなたはどの『きく』を接客時に一番意識しているでしょうか?
いきなり言われても分からないと思いますので、それぞれの漢字の意味を簡単に説明していきますね。
◆(1)『聞く』とは、声や音などが耳に自然に入ってくることで、特に意識していない状態
◆(2)『聴く』とは、人の言葉に注意深く耳を傾けることで、意識して聴いている状態
◆(3)『訊く』とは、事情や都合を知るために、質問したり尋ねたりしている状態
◆(4)『利く』とは、物事を確かめるためる行為で、体験が伴う状態
こんな感じの意味があるとします。
どうでしょうか?
一般的に、『きく』と言えば、(1)の『聞く』を使うことが多いです。
しかし、これは意識せずにただ聞こえているだけになります。
なので、接客時においては、あまりおすすめできないのです。
それに対して、(2)の『聴く』は、意識して耳を傾けているので、お客さんの話に『共感』や『理解』がしやすくなります。
つまり、(2)と(1)の違いは、『意識して聴いているのか?』、『意識してないで単に聞いているのか?』の違いになります。
では、(3)の『訊く』はどうでしょうか?
この漢字はあまり使わない言葉です。
これは、(2)の『聴く』が、『お客さんの話を、聞き手として聴く』のに対して、(3)の『訊く』は、『お客さんに、話し手として質問する』時に使います。
つまり、(3)と(2)の違いは、『話し手なのか?』、『聞き手なのか?』の違いです。
このように考えると、接客時に使われる『きく』とは、(3)の『訊く』で質問し、(2)の『聴く』で共感し理解することが大切であると分かります。
では、(4)の『利く』は、どんな時に使うのでしょうか?
よく、『利き酒』など時に使われる漢字です。
これは、(3)の『訊く』で質問しても、言葉にできない場合は、(4)の『利く』で体験してもらい、その行為からお客さんに共感し理解しようとする時に使います。
前回のブログ記事の『ゴルフショップの事例』の中で、『試し打ち』をしてもらったことも、『利く』ことになるのです。
どうでしょうか?
このようにして、『きく』を意識して使い分けることが接客時に求められるのです。
では、あなたは、どの『きく』を一番使っているでしょうか?
もしも、(1)の『聞く』であれば、まず、(2)の『聴く』を意識して使うようにしましょう。
そして、それができれば、(3)の『訊く』で質問し、(4)の『利く』で体験してもらうことも試してみて下さい。
そうすれば、お客さんをもっと共感できて、もっともっと理解できると思います。
『きく』という漢字が多いということは、それだけ使い分ける場面が多いということです。
ちょっとだけ意識してみると、まったく違った接客ができると思いますよ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則