店頭看板の事例(クリーニング店のコート) | 値上げができる店頭看板の考え方・作り方

値上げができる店頭看板の考え方・作り方

もしも今、みんながサボらず一生懸命働いていて、利益が思うように出ていないのだったとしたら、それは単価が低いのが原因です。思い切って値上げをしてみませんか? 店頭看板を通じて、値上げができる考え方をお教えします。

こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。

クリーニング店さんの『コート』に関する気になる店頭看板の事例を紹介します。

【現状の店頭看板の書き方】

 
 
 

【コメント】

クリーニング店さんが、冬のシーズン途中に、コートのクリーニングをおすすめしている店頭看板です。

なかなかいい流れの看板になっていると思います。

これはこれで十分です。

でも、ちょっと気になることがあります。

それは、商品中心のメッセージになっているところです。




ちょっと変更すると、もっとよくなるポイントを、下の流れで説明していきます。

『>』が原文。

『→』が説明文。

『◆』が変更文。




【現状看板の文章】

>最近コートにハリやツヤがなくなったと感じたことありませんか?
>外からの汚れにさらされているコートは感覚的に『汚れてない』と思っても目に見えないだけで確実に汚れています!
>1~2月は冬シーズンの中間点です。
>汚れ過ぎて落ちなくなったり、繊維を弱めて着れなくなったり、周りの人からだなしなく見られたりする前に、
>シーズン途中で最低1回はクリーニングして汚れを落としておきましょう!




→最初の問い掛けで、『最近、あなたはコートにハリやコシがなくなったと感じたことありませんか?』は、『あなたは』という言葉を使っていませんが、『主語がお客さん』を意識した問い掛けです。

→ちなみに、『最近、コートがこんな状態になっていませんか?』という問い掛けは、『主語が商品』を意識した問い掛けになります。

→このようにスタートは、お客さんを意識した流れだったのですが、その後は、商品中心のメッセージになっているので、大変もったいないです。

→このような場合に、簡単にお客さんを意識した流れにする方法があります。

→それが、いつもの『こんなあなたに』、『こんなことありませんか?』です。

→最初、『こんなあなたに』とスタートすると、自然にお客さんを意識した流れになります。

→そして、最後の行動を促す言葉も、お客さんを意識した言葉で促したいですね。




【変更後看板の文章】

〈例えば〉
◆店頭看板の事例(クリーニング店のコート)
寒いから、コートなどのアウターは
シーズン終わりまで着続けてしまう
あなたに

最近、ハリやコシがなくなったと感
じることはありませんか?

実は、アウターは排気ガスまじりの
ホコリで思っている以上に汚れてい
るんです。

このままでは汚れが落ちなくなるだ
けでなく、周りの人からもだらしな
く見られて損をしてしまいますよ!

そうならないためにシーズン途中の
クリーニングがおすすめです。お急
ぎの時は即日仕上げもできますよ!
『店名』『電話番号』『営業時間』




【今回のポイント】

→どうでしょうか?

→『こんなあなたに』と一文を入れるだけで、お客さんを意識した流れになったと思いませんか?

→それと今回のポイントは、『お客さんの痛みを何にするか?』で、『このままだと、どんな痛みがあるのか?』を伝えなければ興味を持ってもらえません。

→なぜなら、『お客さんはシーズンの途中でクリーニングなんかしたくない』と思っているからです。

→なので今回は、『周りの人からもだらしなく見られて損をしてしまいますよ』と、現状の文章に付け加えて、さらにお客さんを意識して、『損をしてしまいますよ』としています。

→もちろん、どんなに『お客さんの痛み』を伝えても、『そんなこと全く気にしない』というお客さんには、興味を示してもらえません。

→でも、それでいいのです。

→それでも、このようなメッセージを呼んだお客さんの中に、『ひょっとしたら、損しているかも』と感じてもらえれば興味を持ってもらえます。

→そして、最後の『お急ぎの時は即日仕上げもできますよ!』という行動の促しも、『クリーニングしたいけど、これしかお気に入りがないから、どうしよう?』というお客さんを意識した促しの言葉にしています。

→このように、最初、お客さんを意識するスタートにすると、最後までその流れで書くことができるのです。

→『ちょっと、商品中心になっているな~』と思ったら、『こんなあなたに』と一文入れてみて下さい。



こんな感じです。

店頭看板の書き方はいろいろあります。

納得のいくところだけ、採用いただければありがたいです。


最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則