その販促物の『主語は何か?』 | 値上げができる店頭看板の考え方・作り方

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もしも今、みんながサボらず一生懸命働いていて、利益が思うように出ていないのだったとしたら、それは単価が低いのが原因です。思い切って値上げをしてみませんか? 店頭看板を通じて、値上げができる考え方をお教えします。

こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。



毎朝、新聞に挟まれているチラシを見ていると、スーパーや衣料品チェーンなどのチラシは、毎週決められた曜日に入れられています。

年間50回以上入る計算です。

このように定期的に入れられる販促物の内容は、ほとんどが『商品名と割引価格』になっています。

季節に合わせて、『この商品、今なら、いくら』と、伝えていることが多いです。

この時、この販促物の『主語は、商品』になります。

この場合、『お客さんが誰なのか?』は、どこにも書いていません。

しかし、毎週決められた曜日に入るチラシを見るお客さんは、ある程度想像はつきます。

例えば、『どうせ必要なモノだから、できれば安い時に買いたいお母さん』や、『たまにはちょっと贅沢したいけど、何がお買得かを探しているママさん』などが考えられるのです。


なので、定期的に入れられる販促物の内容は、『主語が商品』でいいと思います。



では、そんな毎週入れられない販促物の『主語が商品』であったら、どうなるのでしょうか?

素朴な疑問として、そのチラシを見たお客さんは、『一体誰に必要な商品なんだろうか?』と疑問を感じてしまいます。

この素朴な疑問が、すぐに分かるようならばいいのです。

しかし、多くの場合、お店の人には分っても、お客さんには分かりません。

また、『この商品、今なら、いくら』と伝えても、分かるのは割引き価格だけです。


でも、毎週入れられているスーパーや衣料品チェーンのチラシも同じように、『この商品、今なら、いくら』と書いているので、『チラシはこれでいいのだ』と勘違いしてしまいます。

もしも、同じようにするのであれば、季節に合わせた商品を決めて、年間50回以上、毎週入れなければいけないのです。



どうでしょうか?



おそらく、そんな販促予算は組めないはずです。

では、どうすればいいのでしょうか?


よく、上手く行く販促物とそうでない販促物を見分ける方法の1つに、『その販促物の主語は何か?』をチェックすれば分かると言われます。


<例えば>

◆(A)主語が商品の販促物の基本の書き方は、『こんな商品がおすすめ』です。

◆(B)主語がお客さんの販促物の基本の書き方は、『こんなお客さんにおすすめ』になります。


もちろん、上手く行く販促物が多いのは、(B)の『主語がお客さん』の販促物です。

どうしてだと思いますか?



(A)の販促物は、『こんな商品がおすすめ』と、どんなに良いことが書いていても、お客さんにとっては、所詮、『他人ごと』なので、読んでもらえないのです。

お客さんは、『他人ごと』には結構無関心で、興味を示しません。



では、(B)の販促物はどうでしょうか?

『こんなお客さんにおすすめ』と、どんな人に良いのかが書かれていますので、もしも、それが自分にピッタリ合うことでしたら、それは、『自分ごと』になります。

そうすると、無関心ではいられなくなり、読むだけは読んでみようとなるのです。



このように、ぐだぐだ書いていますが、お客さんは、『読むのか、読まないのか』を決めるのに、1秒もかけません。


だから、一番目立つタイトルのところに、『こんなあなたにおすすめ』と大きく載せる必要があるのです。

なので、『こんなあなたにおすすめ』と、『主語がお客さん』から始まる流れを作ると、読まれやすくなり上手く行く確率が高くなります。


流れとしては、

◆『こんなあなたにおすすめ』

◆『こんなことありませんか?』

◆『実は、こうなんですよ!』

◆『これを解消するとこうなります』

◆『しかし、このままでは、こんなことになりかねません!』

◆『そこで、こんな商品がおすすめです』

と、商品までつなげればいいだけです。




まず、『主語をお客さん』にして、『自分ごと』と気付いてもらってから、『商品』につなげると上手くいきます。


もしも、今考えている販促物の『主語が商品』ならば、その前に、『こんなあなたにおすすめ』と一文入れてみて下さい。

すると、『主語がお客さん』の流れになって、おすすめしたお客さんに興味を持ってもらえる販促物が出来上がると思いますよ。

だまされたと思って、一度試してみて下さい。




最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則