お客さんには、上得意客、常連客、浮気客、新規客などなど、ひと塊の『客層』に分けられて呼ばれることが多いです。
呼び名は色々ありますが、大抵、売上げ上位から順に分けられています。
その分け方の1つが、『客層別・売上貢献倍率』という分け方です。
『客層別・売上構成比率』を、『客層別・客数構成比率』で割って求めます。
と、言われても分かりにくいですね。
簡単に言えば、お店への『客層別の貢献度になります。
と、言ってもまだ分かりにくいので、図表で表わしたのが下のピラミッドです。

こんな感じのよく見られる図表になります。
注目するのは、一番右端の『客層別・売上貢献倍率』です。
<例えば>
お客さん1人当たりの1年間の買上げ額の平均が、『1万円』だとします。
そうすると、A客層は『4.5万円』、B客層は『1.5万円』、C客層は『0.5万円』、D客層は『0.25万円』となり、お店に貢献する度合いが異なることを示すのです。
また、これは売上げだけでなく、来店回数でも同様のことが言えます。
<例えば>
お客さん1人当たりの1年間の来店回数の平均が、『6回』だとすると、
A客層は『27回』、B客層は『9回』、C客層は『3回』、D客層は『1~2回』となるのです。
どうでしょうか?
もしも、このような異なる貢献倍率の客層があった場合、あなたはどの客層のお客さんを優先するでしょうか?
一度考えてみて下さい。
このような図表を見せられると、少なくとも『A客層を優先しなければいけない』と思うはずです。
でも、現実はどうなっているのかと言うと、圧倒的多数の『D客層、C客層、B客層』に時間と手間を取られていると思います。
仮に、『A客層とD客層』を比べてみると、『A客層』のほうが、客層売上げで4.5倍、顧客数で4分の1、1人当たり年間買上げ額が18倍と違うのです。
『A客層とC客層』で1人当たり年間買上げ額が9倍、『A客層とB客層』でも3倍になります。
この事実に気付いて欲しいのです。
ここに気付くと、本当に大切にしなければいけないお客さんは、『A客層』のお客さんだと分かります。
しかし、そんな大切なお客さんにも関わらず、3~18倍も違うほどの時間も手間もかけていないのです。
では、何をすればいいのでしょうか?
まずは、『お礼状』です。
お店にこれだけ貢献してもらっているのですから、『ありがとうございます』という気持ちを、『手書きハガキ』でお礼状として送ってもおかしくないと思います。
<例えば>お気に入りの絵葉書を使って、
◆〇〇さん ありがとうございます。
◆先日は、〇〇のお話とても楽しかったです。
◆そう言えば、〇〇はどうでしたか?
◆またお話を聞かせて下さい。
◆フルネーム
こんな感じでもいいので、ちょっとしたメッセージを手書きで伝えれば、あなたの気持ちは伝わります。
このような関係性を築くことを続けていれば、来店された時に、次のようなことも聴くことができるのです。
<例えば>来店時の聴き取りとして、
◆〇〇さん ありがとうございます。
◆分からないので、ちょっと教えて頂いてもいいですか?
◆今回は、どうしてご利用頂いたのですか?
→『お客さんの答え』
◆そうなんですか、ありがとうございます。
こんな感じで、『来店理由』を聴くこともできるのです。
『来店理由』が分かると、それに合わせた提案もできますし、その『来店理由』を他のお客さんへメッセージとして、POPで紹介することもできるのです。
<例えば>『来店理由』をPOPで紹介する場合
◆こんな経験ありませんか?
◆原因はこれかも・・・
◆これをすると
◆こうなりますよ
こんな感じです。
『本当に大切にしなければいけないお客さんが誰なのか?』を知り、本当に大切だと思う行動をすれば、必ずお店への貢献という形で返ってきます。
まずは、『A客層』はどんなお客さんなのか?
そして、どんな生活スタイルをしているのか?
意識してみて下さい。
どれだけ時間と手間をかけても、かけ過ぎということはありませんよ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則