こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。
『言われたことができない』スタッフさんがいると、社長さんは、『どうして言われたことができないのか?』と嘆きます。
一方、『言われたことができる』スタッフさんがいると、今度は、『どうして言われたことしかできないのか?』と、また嘆くのです。
この社長さんにとっての『悩みのタネ』は、一人前のスタッフさんが育たないことでしょう。
では、なぜ、一人前のスタッフさんが育たないのでしょうか?
一度、あなたも考えてみて下さい。
<例えば>
スタッフさんから、『これは、どうすればいいですか?』と質問されたら、どうしていますか?
たぶん、先程の社長さんなら、『それは、こうすればいいんだ』と答えると思います。
実は、ここにスタッフさんが一人前にならない原因があるのです。
『えっ、これのどこに原因があるの?』と、思われたかもしれませんね。
しかし、これが原因なのは確かです。
以前のブログ記事で、『お客さんの質問には、質問で答える』と書いたことがあります。
<例えば>
お客さんから『〇〇できますか?』と質問されたら、『はい、できます』と答えずに、『どうされたのですか?』と、『質問には、質問で答える』という内容でした。
なぜなら、まだ、お客さんの事情がよく分からないのに、こちらが勝手に想像して答えては、お客さんが本当に求めている答えにならない場合が多いからです。
スタッフさんの質問も同じことが言えます。
まず、スタッフさんの事情を聴くことが、とても大切です。
先程の場合ですと、
スタッフさんからの『これは、どうすればいいですか?』の質問に対しては、『どうしたの?』と質問で返す必要があります。
すると、スタッフさんから、『実は、こんなことがあって、うまく行かなくて困っているのです』と、分からない事情を話してもらえるのです。
そしたら、『へぇ~、そんなことがあったの!』、『なぜ、そうなったのか分かる?』と、共感し、また質問します。
そしたら、スタッフさんから、『たぶん、こんなことがあったからだと思います』と言われたら、『なるほど。もしも、それが原因だとしたら、どうすればいい?』と、共感し、再度質問するのです。
すると、スタッフさんから、『そうですね。これが原因だとしたら、こうすればいいと思います』という答えが返ってきたとしたら、『なるほど、それはいいかもしれないね』、『じゃあ、それやってみて』と、行動してもらうのです。
(ちょっと会話の内容は、端折りました)
こんな感じで、スタッフさんに『答えを言う』のではなく、スタッフさんに『質問して、答えを聴く』ことが重要になります。
ここで大切なことは、『スタッフさんに、考えて、行動してもらうこと』です。
例え、スタッフさんが考えて行動したことが失敗に終わったとしても、いい経験になります。
経験を積んで正しいやり方を身に付けてもらえばいいだけです。
なので、『失敗は悪くない』と、こちらが意識しなければいけません。
そうでないと、失敗しなくなり、言われたことしかしないスタッフさんに逆戻りです。
あと、もう一つ大切なことがあります。
スタッフさんは、こちらが何か質問すると、すぐに『分かりません』と答える傾向が多いです。
なので、スタッフさんには、『分かりませんと、言いってはいけない』ルールを決めておきます。
なぜなら、考えて、行動してもらうには、このルールがないと、考えないからです。
このルールで、スタッフさんとやり取りをすると、だんだん自分で考えて、行動するスタッフさんが増えて来ます。
『言われたことができない』、『言われたことしかしない』と嘆いてばかりいないで、しっかりと共感し、質問できる環境を作って下さい。
そんな環境が、一人前のスタッフさんを育てて行きます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則