営業会議で『何を議論すればいいのか?』これも、社長さんの悩みの一つです。
多くは『前月実績の数字結果』の発表を行い、それに対する『数字目標の達成度』で、議論されます。
どの企業も『数字結果の発表』には、熱心です。
でも、『数字結果に至るまでの行動の発表』には、あまり関心がないようです。
たぶん、『行動は各自が考えること』で、『全体の場では数字結果が全て』という雰囲気があります。
これは、実に『もったいない話』だと思います。
なぜなら、『数字結果は共有できない』からです。
『何をして、うまくいった』
『何をして、うまくいかなかった』
これなら、共有できます。
例えば、1人が『1つの行動で、1つの結果』を発表したとします。
もし、5人が発表したら、『5つの行動で、5つの結果』を共有したことになります。
共有の数が多いほど、『うまくいく力』が強くなります。
結果が、成功ばかりでなくてもいいと思います。
失敗の中から学ぶことも多いです。
失敗と考えず、『うまくいかなかった』と考えます。
次は、何をすれば『うまくいくか?』改善すればいいだけです。
これを続けていると、『改善グセ』がつきます。
『うまくいく力』と『改善グセ』が付くと、ほとんどの問題は解決します。
なので、営業会議での発表の基本は、『こんな行動をしたら、こんな結果になった』です。

◆発表する順番は、一番目は、『うまくいった事』を発表します。
『うまくいった行動』を、みんなが共有する事で、『うまくいく考え方』を養って行きます。
それは、日頃のちょっとした出来事でも十分です。
〈例えば〉
◆『手書きカード』に『商品のよさ』や『お客さんの評判』を詳しく書いたら、『2倍』売れたとかでいいです。
基本は、こんな『行動』をしたら、こんな『結果』になったです。
【発表する項目】
◆現物の『手書きカード』
◆どのようにして『商品のよさ』を考えたのか?
◆『お客さんの評判』は、どのように調査したのか?
具体的な行動が、ハッキリと分かるように発表してもらいます。
よく見かける会議は、数字が達成していれば『よし』で、何も触れません。
でも、達成していなければ『なぜ』できなかったのか?
『なぜ』『なぜ』『なぜ』と追い込んでいきます。
追い込まれた人間は、どうしても『言い訳』をします。
できなかった事を『正当化』しようと必死で考えます。
どんどん『うまくいかない考え方』が養われていきます。
『うまくいかない考え方』からは、『よいアイデア』や『うまくいく方法』は出てきません。
なので、もし今『なぜ』『なぜ』『なぜ』の会議をしている場合は、しばらく『うまくいった事』だけの発表で会議を終わらせましょう。
達成した者に『自慢話』をさせる会議にしましょう。
『うまくいった事』の発表が順調に進み出したら、次へと進みます。
◆次は、『うまくいかなった事』を発表します。
仕事をしていると、自分では『うまくいかない事』が起きます。
それを『そのまま』見過ごすのか?
それを『問題』として発表するのか?
たとえ『ちょっとした事』でも『繰り返す』うちに、大きな違いとなってきます。
うまくいく者にしたら『なんでもない事』でも、本人にすれば『大きな問題』です。
基本は、こんな『行動』をしたら、こんな『結果』になったです。
『うまくいった事』の発表と同じです。
ここで注意すべきは『行動しなくて、うまくいかなかった事』は、即行動すればいいので『問題』にしません。
でも、自分では『ちゃんと行動した』にも関わらず、『うまくいかなかった問題』だけを発表してもらいます。
この発表された『他人の問題』を、聞くまでは『他人の問題』です。
でも聞いた後は、『自分の問題』となります。
『うまくいった事』の発表で、すでに『うまくいく考え方』を共有していると
◆みんなで一緒に考え
◆うまくいくアイデアを出し合い
◆そして、解決策を見つけ出そうとします。
これが、本当の会議の姿です。
もし、今度の営業会議で、『そんな事をしているからダメなんだよ』と、声を荒げて批評している人がいたら、もう一度、『うまくいった事』の発表からやり直してください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
株式会社アイ・マーケティング 伊丹芳則