昨年、「テーブルマークこども大会の参加者数が気になる」という記事で、2015年から2022年にかけてのテーブルマークこども大会の参加者数についてふれました。

さきの記事では2020年~2022年の3年間にかけて続いた過剰な「感染対策」をきっかけに、2021年以降の大会参加者数がおよそ1/3~1/4ていどに激減してしまったことを示しました。「新型コロナ」とやらの感染症分類が季節性インフルエンザなみの5類の扱いに変更された2023年はどのような状況になったでしょうか? 前回示した東京・東海・大阪の3大都市圏について、2023年のデータを追加したものを以下に示します。


東京・大阪あたりではコロナ前の1/2程度まで、力弱いとはいえ右肩上がりに回復しているかに見えます。しかし(私にとって地元である)東海大会については前年2022年より低下しており、回復基調という感じには見えません。そこで全国的な傾向はどの程度あるのか? 気になり、テーブルマークこども大会が開催される全国11の地域について合計したグラフも作成してみました。

なおグラフの赤の対象地域(北海道・信越・静岡・四国・熊本)については2016年・2017年のデータが参照できず欠損があるため、他の年にくらべ合計値が小さくなってしまっていることご容赦ください(データをお持ちの方、教えていただけると嬉しいです)。

全国的な傾向でみると、コロナ前で総計で約10000人程度の参加者であったものがコロナ後は3500人ていどにとどまり、東京・大阪の二大都市圏よりは東海大会の傾向に近い状況となっています。

将棋大会の参加者数の減少というと、すぐに少子化の影響が思い浮かびます。上記の減少は少子化で説明がつくものでしょうか?

少子化の定量的な程度についてはこちらの記事に分かりやすいグラフが掲載されていまして、近年では年率-2%程度の減少スピードです。

全国規模の将棋大会の参加者数が2019年以前から4年程度で65%も減っていることについて、年率-2%ていどの少子化を主要因とするにはムリがあるように思います。3年あまり続いた過剰な「感染対策」の影響は無視できないものだった、と考えざるをえないのではないでしょうか。

私はいろいろな場面で(地元自治体などに)「感染対策」の過剰さ・適正化を訴え、じぶんの運営する将棋クラブでは2020年6月以降絶えることなく毎週の例会を維持し「コロナ対策」期間にあって会員数を増やしてきましたが、大勢としては活動休止した支部が大半だったことは、将棋普及にとって深刻なダメージを与えてしまったと思います。

topstoneさんの記事「無思考の結果に見えます (透明膜)」で「将棋界の黒歴史」との指摘もありますように、将棋の普及に携わる者は過剰な「感染対策」は悪手であったときちんと反省・総括し、今後の普及活動の教訓としていかなければいけないと思います。