昨年、Amazonで購入した対局時計SF-1226についてレビューし、1年あまりP4match戦で使用してきましたが、はじめて大会の現場で故障が発生しました。その大会はいつものP4match戦ではなく、隣の豊明支部で開催された将棋大会の有段者の部で貸出していた6台中の1台でした。3戦目でしたが、参加者が挙手されたので確認すると、SF-1226の着手ボタン(白いシーソースイッチ)を押しても時計の作動が切り替わらずに一方の時計だけカウントダウンが進んでしまう、という症状でした。
とりあえず試合は継続しないといけないので、現場では予備の時計(同じSF-1226)に残り時間をセットして使ってもらいました。
帰宅してから、どのような原因で着手ボタンが効かなくなったのか調べるために、時計の裏蓋を開けて中を見てみることにしました。SF-1226は電池入れのある底面のゴム足の下4ヶ所と電池入れの中の2ヶ所のタッピングねじを外すとかんたんに分解できます。
中をみると、着手ボタンのスイッチ部分はシチズンの時計のようなマイクロスイッチではなく、シーソースイッチの片側に磁気センサが配置されるシンプルな構造でした。
この磁気センサ基板を固定している小ねじ2個を外すと、シーソースイッチ裏に5mm角くらいの磁石の取付部が見えます。分解したときに気づいたのですが、時計ケースを振ると中でカラカラ音をたてていた状態で、磁石が脱落していることがわかりました。写真4は磁石を取り付けなおした状態です。
磁石収納部はプラスチック製シーソースイッチと一体構造で、磁石とぴたり寸法が合うようになっており、嵌め込むだけでも通常の使い方なら脱落しない感じではありましたが、念のため接着剤を塗布して取り付けておきました。
電池ケースに電池をセットし、シーソースイッチがぶじ正常作動することを確認したあと、元通りに組み付けしなおしてぶじ復元することができました。
磁気センサと磁石の位置関係についていうと、着手ボタン(シーソースイッチ)を下まで押し込んでも磁気センサ基板と磁石が接触することはありません。磁気センサはおそらくホールICの原理で、磁束密度(磁石とセンサの距離)に比例した出力がしきい値を超えるとOn/Offする信号に変換されるスイッチ方式なのでしょう。原理的にストロークの中間でスイッチが両方ともOnとかOffになるあいまい領域がなく瞬時に切り替わり、機械的な接点が無いので振動による接点摩耗や経年による腐食で接触不良になることは無さそうなシンプルで優れた方式と思いました。
なぜ磁石が脱落してしまったのか?
思い返してみると、故障したときの対局者は指先で着手ボタンを押すのではなく、対局者双方がゲンコツで机を叩くようなやり方で押してました。古いアナログ時計方式のチェスクロックでは、着手ボタンの摺動が重いことがあり、力が弱いと両方の時計がとまって切り替わらなかったりするので力強くボタンを押すクセがついている人は多いかもしれません。また、子供さんは面白がってやたら強くボタンを叩くように押すことがあります。
SF-1226の着手ボタン(シーソースイッチ)は小指だけでも押すことができるくらい(パソコンのキーボードなみの)軽い力で操作できます。まさかゲンコツで叩くほどの強い力で使われることを想定して設計されてないとも思われます。
今後は試合開始前に、パソコンのキーボードだと思ってポンと軽く押す程度にしてくださいと、注意事項として説明しようと思います。

















