グルマは、基本的に面会は一切受け付けず、家から一歩も出ない生活を何十年も続けていらっしゃいます。
何人かの生徒と、音楽だけの生活。
ずっと憧れていた方です。
事前に話を聞いていたよりもずっとお元気そうに見えて、しばらくの間グルジとの歓談を楽しんでいらっしゃいました。
私が床に座っていると気を使って椅子を手配して下さったりと、とても暖かい方でした。
私は言葉が半分も分からないのですが、次回来た時にはフルートを吹きなさい。と言われて、お約束させて頂きました。
グルマの前で何を吹いたら良いのか全く分かりませんが。緊張で手も震えてしまうでしょう。
だけど、彼女は伝説の音楽家である前に、私の先生の先生。先生に演奏を聴いてもらう。そんな自然な事が叶うなら、とても幸せだな。
今まで色々な方から聞いてきた話では、とても繊細な方のイメージがありました。知らない外国人が突然訪ねて来たら気分が良くないのでは、と心配でしたが、すごく優しく笑いかけて下さいました。
後からグルジが、
グルマは君の事が好きだよ。
と言ってくれて、泣きそうになってしまいました。
グルジのご家族からは、グルマの生涯について書かれた書籍を読むように勧めらましたが。
ジャーナリストが書いた彼女の人生を読んで外で話すより、ご本人にお会いして、少ない時間を一緒に過ごせる方が、ずっと深くグルマの事を理解できるような気がしました。