レコンピールから数キロ離れたバス停に行く。
直前なのでバスの席は予約出来なかったが、ちょうど出発するシムラー行きの夜行バスに席があったので飛び乗った。
「予約してないけど、この席空いてるかな?荷物はここで良いかな?」
バスの中にいたインド人に聞いてみた。
「もちろんだよ。さあ、座りなさい。」
と、最低限の言葉で私の重たい荷物を移動させて席に導いてくれた。
助かったと思って席に座る。
The ローカルバス。
こんなボロバスで山道を走るなんて信じられない。
しかし、カザへのバスも同じようなものだったから慣れっこ。席があるだけ天国。
は勘違いだった。
席に誘導してくれた男性が隣に座って来たが、気にせずにいると。
出発直後から、質問責め。
「どこから来たんだ。インドは好きか?」「僕はシムラーの◯◯銀行で働いている。うちに来なさい。」「家族構成は?」
「疲れて眠いから寝させろ!」
とだけ言って、ストールで自分を覆って寝に入る。
本当に疲れていた。 そして、舗装されていない酷い山道。岩だらけの砂利道。 薬を飲んでいても酔うし、薬の効果で眠たくて仕方ない。
それでも、どんどん距離が縮まる。間に大きなプーマのカバンを置いたのだが、カバンが押し潰される💧💧
ありったけのナッツを押し付けられ、断ると勝手に私のカバンに押し込む。
休憩所に着いては、何もいらないと言ったのに勝手にスナックとジュースを抱えてやって来て押し付ける。 深夜に食べる程私は逞しくない。
インドのローカルバスではどれだけ叫んで誰も助けてくれないと分かっているが、どんどん私の声が荒立つ。
「お前とは何も喋らない!」
「近ずくな!」
「私に触るなっ!」
明け方になって、途中の集落で何人か降りた隙に、空いた後部座席に逃げた。人目のつかない後部座席はよけいに危険かと危惧したが、幸い痴漢男は追って来なかった。
有名な避暑地、シムラーに到着したのは早朝3時頃。
クタクタだった。
この山奥の観光地で1日疲れを取ろうと思っていた。