インド秘境旅行記21 | ○●ガネーシャの栖〜ヨガとバンスリと〜●○

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お絵描きはちょっと休憩中。
ヨガにぞっこんな毎日。
バンスリを吹いたりして時間を過ごしています。


哲学分野は別ブロクに引っ越しします。
http://blog.livedoor.jp/yukamangalam/

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このロックアートは原始のヒンドゥー教徒が描いたと考えられている。

インドラ神などの姿も認められる。


描かれた時期は、千年から二千年前。

なんとも大雑把な。

千年の誤差。

これが歴史の真実。教科書では「◯◯年頃」とハッキリ書かれていても、実際は岩の地層などから憶測するしかない。それは、思うほど簡単では無いのだ。


もしも千年前だった場合、
たった今見てきたばかりの仏教ゴンパよりも新しい可能性もある。

それにしては稚拙なロックアート。

たった3キロしか離れていない場所で。


「そんなワケは無いだろ! このロックアートの方が古いに決まっている」

と言った私に、マイケルは分かりやすく説明してくれた。


仏教徒とヒンドゥー教徒は交わらずにそれぞれの集落で生息してきた。 

ヒンドゥー教徒が、いつの時代にこの場所に現れたのかは確かではないが、初めて人類が絵を描くときは必ずこのロックアートのように単純なものが出来上がる。
 
世界中で同じような古代絵画が発見されている。

赤子が初めて描く絵と同じ。
それが千年前か二千年前かはまだ分からないんだ。

仏教徒はカシミールで既に発展していた当時トップの画家を呼んで来ているが、
この土地土着のヒンドゥー教徒はまだ未発達だった可能性もある。


「それならば、このスピーティ地区では、ヒンドゥー教と仏教のどちらが早く発達したの?」

と質問すると、

それが僕の研究している事なんだ。

と言われた。




そんな事も簡単に答えが出ない。

そんな単純な答えを探すために、様々な知識を駆使して研究する。

インディ・ジョーンズに憧れたかつての私に教えてあげたい。

考古学って難しい。

しかし、南から来たヒンドゥー教と北の仏教の交わる地点。

確かに興味深い。


カナダ訛りの英語は私の耳には難しい。

しかし、まるでテレビに出てくるハリウッドスターのような流暢なマイケルの英語が今も耳に残っている。