罪の意識がないまま
悪いことだと気づかせないまま
死なせていいの?
憎しみはなくなるの?
許せるの?
法という名の集団殺人じゃない?
亡くなった被害者は帰ってこない
私に性的虐待をしていた
母の不倫相手、仕事先のマスターが
ガンで亡くなった時
ほっとしたけど
逃げきられたと思った
誰も何も知らないまま
私一人が犠牲になって辛いまま
当の本人の加害者であり犯罪者が
何もなかったかのように
ちゃんとお葬式をあげてもらい
たくさんの人に来てもらい
娘に泣いてもらい
旅立っていった
くやしくて傷ついた心を
どうすることもできない
どこに怒りをぶつければいいのか
神様なんていない
私は見捨てられている
大きな穴があったら叫びたかった
私が何をしたっていうの
子どもの私が墓場まで持っていく覚悟をしなければいけない
このやり場のない気持ち
死刑囚のほとんどは
死刑が近づくと人が変わるという
被害者に申し訳ないことをしてしまったと
どんなに暴れて憎まれ口を叩いても
ツバを吐いて
人間のクズのように見えた人でも
最後は正気に戻るという
刑務官はいたたまれないそうだ
みんな同じ赤ちゃんとして
この世に生まれて
犯罪者になろうなんて思う人はいない
100パーセントの悪人もいないと思う
命で償うのではなく
更正して償ってほしい
命で償うことなんてできない
死んだからって憎しみは消えない
悪いものを排除したところで
何も変わらない
犯罪者をつくらないための
環境が必要だ