続・付き人奮闘記 108 | chihiroの気まぐれブログ・これからも嵐と共に

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2021年1月。嵐さんの休業を機に、妄想小説を書き始めました。
主役は智くんで、メンバーも誰かしら登場します。ラブ系は苦手なので書けませんが、興味のある方はお立ち寄りください。

 

 

 

隼人達3人の仕事はうまく行っていた。

3人でのバラエティーのコーナーも好評だ。

 

普段少し人見知りのある樹も、知っている人ばかりの現場だと安心するのか

マシンガントークになるし、隼人もこの3人だとよく喋る。

そして、普段から喋る風磨は通常営業。

 

ツッコミとボケの両方いける樹に、ツッコミの風磨、ボケの隼人。

この掛け合いが受けてコーナーだけでは勿体ないと言う話も出ている。

 

ただ3人での仕事が順調だと困るのは個人仕事。

とは言っても、これは殆ど風磨に限るけど…。

 

樹はラジオとバラエティーの仕事の計2本。

隼人もラジオと、謹慎に入る前にやっていたクイズ番組に復帰できたのでその2本。

どちらも生放送ではないのでそれほど影響はない。

 

ただ風磨はバラエティーだけで3本。そのうちの1本は生放送。

だから3人での生の他に、もう1本生放送が入っている事になる。

 

それと風磨は特番のMCが多い。

それだけに3人での仕事がなかなか増やせない。

 

 

バラエティーの仕事に加えて、歌手デビューしたので当然ながら歌の仕事もある。

テレビの歌番組やライブやフェスへの出演など…。

 

ただ歌番組は何とかやりくりして出演出来るけど、肝心のライブがまだ目途が付かない。

ファンも増えて来てある程度の規模の会場でなら出来るようになったけど、

日程が取れなくて今のところ先輩のオープニングアクトぐらいしか出来ない。

でもこれでは自分達のファンは呼べない。

たまに時間を作ってイベントをやれるくらいだ。

 

ファンが増えてくれば当然、「ライブをやって欲しい」という要望も増える。

 

そんな中で最近チラホラ目立つようになったファンの声が、

「風磨くんはバラエティーに出過ぎ。もっと3人での仕事を大事にして欲しい」と言うものだ。

 

それは風磨自身が一番感じている事であり、他の二人も思っている。

だけどバラエティーだって大事な仕事。特に若い時からバラエティーのお陰で生活が出来ていた。バラエティーから他のMCへと仕事が広がり、明らかに普通のタレントに来るような仕事ではない事もやらせて貰っている。

誰にでも出来る仕事ではないから、こういう仕事は大事にして欲しい。

 

スケジュールのやりくりは事務所とマネージャーの仕事。

個人の仕事を減らさずにライブが出来ないか、試行錯誤を繰り返す。

ライブだけなら出来ない事はないけど、リハーサルも含めると徹夜をしても難しい。

それに30を過ぎるとさすがにライブ前の徹夜はさせたくない。

 

普段から鍛えているし体力はある方だけど、さすがに若い頃のようにはいかなくなってくる。

 

今のところ方法があるとすれば、バラエティーを減らすこと。

今、個人でやっているバラエティーのうち1本だけ可能性があるのが既に10年やっている

体力を使う番組で、去年くらいから番組側からも風磨個人からも若手と交代と言う話も出ていた。どうして実現しなかったのかは、俺は担当ではなかったのでよくわからないけど、

10年と言えば番組への貢献も大きい。可能性があるとすればこれだなと思っていたら、

風磨から「話がしたい」と言って来た。

 

ちょっと表情が固い。

俺は仕事柄なのか、人の表情を直ぐに確認する癖があるし、だいたいそれは当たっている。

 

 

「どうしたの?」

 

「個人での仕事を辞めたいんです。これからは3人だけの仕事に絞ります」

 

 

実は一番恐れていたのがこれだ。

真面目な奴だし責任感が強いから、自分の状況はわかっている。

自分のせいで3人での仕事がなかなか出来ないのは理解しているだろう。

 

 

「3人の仕事に絞りたいと言う気持ちはわかるし、俺としても有難いとは思う。

 だけどずっとやらせて貰って来た仕事でしょう。樹も隼人も個人での仕事もあるから、

 全部をなくす必要はないと思う。例えば出演回数を減らしてもらうとか、それだけでも

 だいぶ違ってくると思うよ」

 

「良いんですか?それで」

 

「うん。個人の仕事も3人でやる時に絶対に役に立つと思うよ。

 そのトーク術はもっともっと磨いて欲しいしね」

 

「すみません。ありがとうございます」

 

 

結局、10年出演させて貰っていた番組を準レギュラーとしてたまに出演することで決まった。

 

「誰か代わりに若い子を推薦して欲しい」と言われて、潤が圭吾を推薦した。

 

「あいつ動けるの?」

 

慎吾を始め殆どの人間が異口同音に失礼な事を言う中で、

「意外と体力はあるから大丈夫だよ。それに菊池の後任だとわかれば真剣になるよ」

そう後押ししたのは潤だ。やはりトップに立つ人間はよく見ている。

 

翼を筆頭に作ったプロジェクトの中では3番目。

俺は一番関りがなかっただけに心配だったけど、最近は舞台を中心に頑張っている。

 

テレビ出演は久しぶりだけに最初は戸惑っていたけど、風磨の後任と知って張り切っている。

これで人気が出れば圭吾も軌道に乗ってくれるかもしれない。

 

 

風磨が少し余裕が出来たので、これで3人でのスケジュールも組みやすくなりそうだ。

 

漸く3人での歌手活動が動き出す。