イタリアは、文化財維持のための国家予算の割合が、ヨーロッパ内でも最も低い国のうちのひとつだ。イタリアは、国全体が文化遺産で出来ている。
ベルルスコーニは、芸術分野への助成金1億4000万ユーロ(日本円で、約200億円)を削減したことがある。「スカラ座のダンサーが踊るのは40歳までなのに、65歳まで受給する」という彼の発言が、オペラ歌劇関係者のストライキを招いた。結局、助成金は7700万ユーロ増しになった。
イタリアは、芸術大国だ。逆に言えば、芸術文化以外には何の取り柄もない国だ。それで大いに結構じゃないか。軍事力ばかり強大で、自国民も他国も脅かす国よりも。
ドーポ・ラボーロとは、労働者の余暇を管理・組織する役割を担う機関で、その名称ドーポ・ラボーロは、ドーポは「~のあと」の意味、ラボーロは「仕事」の意味だ。
第二次大戦時代、休暇を山や海で過ごすための施設やスポーツ施設が、労働者とその家族のために建てられ、ヴァカンスや観光旅行の習慣が中流階級以外にも拡大された。地方伝承芸能の集会。スポーツ全国大会の開催。映画館の無い農村部のための、国策映画を鑑賞出来る移動式映画館の設置。一般市民たちの、演劇・音楽サークル活動参加。それらはすべて、ファシスト党直属組織ドーポ・ラボーロが便宜をはかって与えられた機会だ。
当時の国民は、ファシズムにより文化的活動に触れる機会を与えられ、同時に彼らはファシズム理念を与えられることになる。こうして当時のイタリア国民はファシストに「教育」され、ファシズムに「洗脳」されたのだ。演劇、音楽、旅行、スポーツに満ちた、文化的に豊かな生活の中で。
ムッソリーニをはじめとする数人の政治家は、ファシズム時代、ローマのヴェネツィア宮殿で新聞報道を完全にコントロールした。
(→続)
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