イタリア留学記。 -7ページ目

イタリア留学記。

イタリア留学の思い出を綴っています。

 国内秩序の不安定、共産党員のファシスト党地方支部幹部襲撃事件、農民・労働者暴動、政財界のスキャンダル、秘密警察(OVRA)の存在および活動などは一切報じられない。
 ムッソリーニの演説と写真は国営の通信社から全国の新聞に配給される。また、ムッソリーニおよびファシズム体制幹部たちが、上半身裸でスポーツや肉体労働をしている姿の写真が、新聞や機関誌に数多く掲載される。「雄々しさ(virilita`)」がファシズムの理想だったからだ。
 今もイタリアの男性は、筋トレに励み、鍛え上げた身体を誇示して男らしさをアピールしたがるけど、これってファシズム時代の名残でしょ?
 ベルルスコーニは、文化、伝統、芸術、情報操作のすべてにおいてムッソリーニにも劣る。イタリア国民は、そんな大富豪政治家ベルルスコーニしか選べなかった。
 イタリア国民にだって、言い分はある。今はファシズムの時代じゃない。ムッソリーニは、ナチスと手を組み国民を暗黒の時代に連れ込んだ。今はもうあんな時代じゃない。みんな自由に意見を述べられて、自由に働けるようになった。
 だから、現代、イタリア国民はベルルスコーニを選ばざるを得なかった。
 他に選ぶべき人が、選びたい人が、いないからね。
(参考資料:「概説イタリア史」(有斐閣))
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