2025年8月5日 FRaU
「窓を開ける」のは猫のお仕事
テーブルやカウンターで猫がゴロゴロするのを、家族全員が笑って見ていられる家なら問題ないが、人によっては不快に感じるケースもある。その場合は、止めさせた方がいいだろう。
けれども習性が伴っているものを、どうやったら止めさせられるのか。はるか先生のインタビューでお伝えする。
上がってほしくないテーブルに乗る時は
むぎちゃんが網戸を開けるのは、「網戸の開け方」を学習し、家の中の見回り中「窓があったから、開けてみたら開いた」という行為が達成感をうんでいるからとお話しました。
写真:FRaU(現代ビジネス)
飼い主さんにとっては意味のないことでも、家の中で退屈している猫にとっては、大事なお仕事。そして、生きていくために必要なスキルを身につける大切な学習プロセスです。動くものを追ってみたり、わざわざ高いところに登って、そこから飛び降りたり。こういうチャレンジングな遊びは、狩りのためのスキルであり、やりがいにもなっています。
でも、飼い主さんが困っているのなら、止めさせないとなりません。そんな時は、まずその行為がなんであるか、名前をつけ、教えるところから始めます。
これは、猫とコミュニケーションを取る準備、その行為の名前を覚えてもらうためです。
たとえば、猫がテーブルやカウンターの上などに上がろうとした瞬間に「上がって」と声を掛けます。そして、すかさず、「はい、降りてね」と言いながら、優しくおろします。叱らずに、対になる言葉と行動で、「降りる」ことを覚えてもらうのです。
高いところに上がるのは習性なので、ただ禁止するだけでは、猫の方もストレスがたまります。そこで、行動自体を禁止するのではなく、上がったら、同時に「降りて」を教えるのです。
代わりのものを用意する
◇犬や猫の学習の仕方を聞くと、人間の子どもと変わらないと思わされる。
そう伝えると、はるか先生は、「本当にそうだと思います。うちは動物の行動から学んだ事例を参考に、子育てをしてきました」と言った。
過去、なかなか泣き止まない子どもにイライラすることもあり、そんな時「叱る代わりに代用案を出す」ことは動物たちから学んだという。
動物も子どもも自らのやりたい気持ちを抑えないように見てあげたい。
高倉 はるか