「結楽の杜」有帆に開設 人と動物が心安らぐ場所に【山陽小野田】 | トピックス

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2025年6月19日 宇部日報

 

 

 ペットと共に暮らせるデイサービスと住宅型有料老人ホーム「結楽(ゆら)の杜」(植田幸子代表)が、山陽小野田市有帆に開設した。大切な家族である犬や猫との生活を維持し、世話を通じたリハビリ効果など、アニマルセラピーが大きな特徴だ。

 

ペットとの入所を喜ぶ飼い主(結楽の杜で)

 

  動物愛護団体の会員で、介護福祉士の資格を持つ植田代表が、人と動物が心安らぐ場所をつくりたいと事業化した。

 

  別府八幡宮の近くにある古民家をリノベーションし、5月に先行してデイサービスを開所。ペットの同行は事前のカウンセリングで、「かまない、ほえない」など集団生活に支障がないことが条件となっている。

 

  畳や木のぬくもりを感じさせる空間の中で、ペットたちは庭に出たり、レクリエーションに取り組む飼い主の足元でくつろいだりと自由に過ごす。犬の散歩、ご飯の支度、ブラッシングなどの世話は通所者の役割で、命を預かる責任感が生きがいへとつながり、指先の機能や歩行訓練に効果を発揮するという。動物を通じた通所者同士のコミュニケーションも活発になっている。

 

  老人ホームは、古民家の近くにオープン。スタッフの介助を受けながらペットと寝食を共にする。しつけの訓練を受けた元保護犬3匹も暮らしており、入居者とデイサービスに通う。

 

神原喜久敏さん(75)は、トイプードルのサム(雄)と入所。「10年以上、息子のようにかわいがってきたので離れるという選択肢はなかった。デイサービスでは、みんながサムのことを理解してくれてうれしい」と、慣れた手つきで抱きかかえた。

 

  介護施設の多くは、安全や衛生面でペットの持ち込みを禁止している。高齢者は入所を諦めるか、預け先を探さなければならず、引き取り手がいなければ殺処分される場合も。預けた家で虐待に遭う事例もあるという。

 

  「老人ホームに入居するために捨ててしまった」と罪悪感を抱き続ける高齢者、飼い主と離れ離れになったストレスで痩せ細っていく動物を近くで見てきた植田代表。「アットホームな環境で、飼い主とペットのどちらも救いたい」と施設運営に力を込める。今後は、施設で世話をした保護犬、保護猫の譲渡会も行うと展望を語った。