2025年3月24日 ねこのきもち WEB MAGAZINE
埼玉県八潮市にある「ねこひげハウス」は、ちょっとだけ特殊な保護団体です。引っ越してまもないシェルターを訪れたら下半身不随の猫やおむつをした猫、目が見えない猫など、1匹ずつ事情の異なる猫がみんなでとても穏やかに暮らしていました。 *記事内容はすべて2024年12月10日現在のものです。
3日間に分けて移動したという引っ越しは、途方もない大仕事だったそう(Benesse Corporation)
【写真】1年半前に多頭飼育崩壊の現場からやってきたヨーヨーくんは、元気な21才
それぞれ事情の異なる猫が集うシェルター
「よく来たね。はじめまして」。そういいながらキャリーケースから猫を抱き上げた、石川砂美子さん。埼玉県動物指導センターからやってきたというその猫にはてんかんの持病があり、殺処分の対象になっていたそうです。
車にひかれて下半身不随の銀次郎くん。前足を使って上手に歩きます(Benesse Corporation)
「持病がある猫は保護団体も引き取らないことが多いのです。だから、話を聞いてすぐに『引き取りたい』と手をあげました。もともと首輪をしていた推定2才の猫なんですが、センターの収容期限は1週間しかないので、飼い主さんが見つかったときにすでに処分されていた、なんて事態にもなりかねませんよね」
そんなの悲し過ぎます、という石川さん。その猫はてんかんだけでなく、片目が萎縮し、胸には古い手術痕があるそうです。「このコ、人懐っこくて、かわいい」
石川さんが主宰する「NPO法人 ねこひげハウス」は、約120匹の猫が暮らすシェルターを運営しています。ほかのシェルターと少し違う点は、収容猫の9割以上が7才以上のシニアで、傷病猫やハンデを持つ猫も多いこと。’24年には新たなシェルターが完成し、車で約5分の距離を約120匹の猫を連れて引っ越しました。
片目の茶っぺいくんは17才。甘えん坊でひざの上が好き(Benesse Corporation)